マイナンバーカードを登録する人、しない人

自営業をしているとマイナンバーカード登録は必須になる。青色申告でも必要になるし、銀行での取引においても同様だ。私の家内はまだマイナンバーカード登録をしていない。家内の友達の多くがマイナンバーカードの登録を無視している。それでも生活で不便を感じていないからだ。

政府のマイナンバーカード制度は、大衆の支持を受けていない証拠である。政府にとってメリットになることは、国民にとってディメリットになる場合が多い。それが分かっているから進んでマイナンバーカード登録をしない国民が多い。

マスコミメディアもマイナンバーカードについて記事にしていない。ニュースとしての価値が見い出せないでいる。今は、キャッシュレス(電子マネー)と新札発行が目玉だ。マイナンバーカードはどこかに行ってしまった。

政府はコロナ禍で迅速に給付金を支払うことが出来ないことからマイナンバーカードと銀行口座を紐付けて支給をする方向でマイナンバーカード申請書類を国民に郵送し始めている。国民にとって国から給付金を素早く受け取れるメリットがある。

国民がマイナンバーカードを所有するメリットを増やそうとする政府

金融資産を多く保持していない方は、マイナンバー制度を気にする必要は無いだろう。紐付けされても世間で騒がれるほどの金額にならないだろう。

ただ、マイナンバー制度のおかげでお金の出所がはっきりしないお金で何らかの銀行取引をするとその情報が税務署に分かる。マイナンバー制度は、個人のお金の流れをトラッキングするための制度であるからだ。国民にとってメリットになる制度でないことは確か。

新規に銀行口座を開設するときは、マイナンバーの記入を求められる。その時点でその銀行でのお金の動きが税務署に分かってしまう。お金の取引が行われる場面でマイナンバーの記入が求められる機会が増えることは確かだ。マイナンバーカードがお金に結び付けられるとその人の金融資産が丸見えになる。これは個人に対する新しいリスクである。

私は、米国のSocial Security Numberを持っている。米国で仕事をしていたからだ。どのような時にソーシャルセキュリティーナンバーが必要とされたか? 

公的な書類に記入するとき、現行で口座開設をするとき、クレジットカードの申請、大学やそのた学校に入学するとき、大きなお金が動くときは必ずソーシャルセキュリティーナンバーの記入をしなければならなくなる。

米国のソーシャルセキュリティーナンバーは悪用されている。日本でもマイナンバーカードが悪用される可能性は大きい。身分証明書としてソーシャルセキュリティー番号やマイナンバーカードは機能するが、国民を監視する道具になる。

マイナンバーカードを持っている私と持っていない家内で何か違いが起きているだろうか?

現時点(2020年12月5日)で何も違いを感じていない。実生活面でマイナンバーカードを持っていないから生活が不便であるということはない。私がマイナンバーカードを使うときは、青色申告、住民票の写し、印鑑証明書のみである。それ以外はない。

会社員は、会社の人事部からマイナンバーカードの申告を求められる。会社は行政機関に提出する書類にマイナンバーを記載することを義務付けられている。

何らかの労働をしている場合、アルバイトでもパートでも雇用先にマイナンバーカード情報を提出する必要がある。これは、行政機関に以下の作業でマイナンバーが必要になるからである。

・年末調整
・雇用保険
・社会保険
・厚生年金

専業主婦である家内は、収入がないので直接マイナンバーカード情報を提出するところがない。そのため、生活面で何も不自由は感じていない。

何らかの労働をして収入がある人は、マイナンバーカード登録をせざるを得ない。つまり、行政機関との接点が多い人ほどマイナンバーカード情報が必要になる。

これからマイナンバーカードを登録する人のメリットは何か?

  1. 2021年3月から健康保険証としてマイナンバーカードが使える
  2. マイナンバーカードと運転免許証を一体化に向けて準備がされている
  3. 災害時での給付金の支払い手続きの簡素化

この2つが本当にマイナンバーカードへの呼び水になるかはわからない。既に有るものをマイナンバーカードに集約しようとしているだけである。

結論

マイナンバーカード所有者としていつも危惧していることはマイナンバーカードのセキュリティーである。クレジットカードと同じような取り扱いで大丈夫なのか、もし紛失したらどうすれば良いのか、再発行の手続きが煩雑で面倒にならないかなど。現時点で一番役に立っているのは、確定申告時にマイナンバーカードを使って電子申告が出来る点である。