70歳で引退生活に入るのが本当に幸せか?

自営業者も70歳の声を聞き始めると仕事を辞めて引退生活に入る人が多い。会社員は、65歳で引退するが最近は70歳まで働こうとしている。私の知人(65歳)は、再就職先が見つからないために引退生活に入ったのだが、6ヶ月後にアルバイトをやり始めた。暇で苦しんでいたようだ。別にお金で困ってはいない知人である。

団塊世代の会社員は仕事が生き甲斐であった。それが尾を引いている。私の世代、60歳代は仕事以外のことに時間を投資している人がいる。本当はこんな事をやりたかったという元会社員たちだ。生活費を稼ぐために会社員になったシニアたちである。65歳で年金を受給し始めたら、学生時代に描いていた「夢」を実現させるために老後の時間を使い始める。

そんな人達は引退生活を待ち望んでいた。やりたい事が明確になっていて情熱を持って夢を追い始める事ができる。問題はやりたかった事が1年以内で終わってしまったりすることである。継続できなかったり、飽きてしまったり、色々な理由で仕事以上の物に成りえないことである。

好きな仕事で70歳を過ぎても働けるのが理想の老後ではないか。

引退生活は仕事と同等の時間を使うものがないと苦しくなる

仕事が生き甲斐の会社員は大勢いる。日本人は生真面目である。会社のためにという心理が働いて仕事が生き甲斐になってしまう。今はそんな日本人が少なくなっている。終身雇用制度が崩壊して会社に自分の時間を捧げるなんて考えていない若者が多い。少子高齢化社会で人手が足りない。

現実は会社は選り好みしている感じだ。働きたいと職を探しているシニアが多いのにそのニーズをまともに受け取っていない会社が多い。人手不足と言っているのは若い労働者たちのことだ。シニアはまだ、まだ、労働市場で市民権を得ていない。使い捨て要員、片手間仕事をする労働者というイメージが有る。

NPO団体に入会した70歳のシニア・・・その理由が

70歳まで会社のアドバイザーという仕事を続けていたシニアがNPO団体に入会したいと見学に来た。70歳になった時点で引退生活に入ったのだが、何か心の中がポッカリと空いてしまったと言っていた。趣味やスポーツクラブで時間を使っていても何か足りない感じで老後の生活が充実していなかったそうだ。

友達の勧めでこのNPO団体を知り、見学に来た。彼は、やはり、団塊世代の猛烈会社員であった。仕事がないと幸せを感じないようだ。と言うよりは、仕事が生き甲斐なのだ。平均年齢が70歳代のNPO会員は、2つぐらいのNPO団体に所属してぽっかり空いた時間を埋めている。

私は自分の仕事があるのでNPO活動は定例会に参加するぐらいだ。定例会では中小企業と都道府県の活動情報が手に入る。色々なプロジェクトが進められているので日本の中小企業がどのような分野に進出しようかが見えてくる。

趣味と運動の世界

65歳、70歳で引退生活に入るシニアの殆どがスポーツを始める。テニス、ジョギング、水泳、筋トレなど体を定期的に動かすことを始める。暇つぶしと健康維持のためである。毎日スポーツクラブで体を動かすことは無理だからどうしても時間が空いてしまう。そこで趣味が登場する。趣味の世界は、個人差がある。私のように趣味らしき趣味がないシニアもいる。仕事が趣味だといえば趣味になり、週2回の筋トレも趣味になる。

引退生活に入ったシニアが趣味だけの世界で暇な時間をどれだけ潰しているのだろうか。まだ、趣味だけで引退生活を充実させているという方に出会っていない。

仕事が趣味と言っている団塊世代の会員はNPOの活動を自分の仕事にしている。NPOの仕事から入る収入は小遣い程度だが自分の得意を発揮できる活躍の場が見つかる。

仕事のように多くの時間を投入する趣味はどれだけあるのだろうか。ボランティア活動、地域活動で生きがいを見つけているシニアはまた違った世界の住民である。強い信念と情熱がないと続かない。

老後の生活は自分の好きなことに時間を使う。これが基本。好きなことならば、飽きがそう簡単に来ない。充実感もある。

働けるうちは体を使って働くのが一番!

働くことが好きなシニアならば、起業に挑戦してみてはどうか。小遣い稼ぎ規模の起業である。失敗しても金銭的なリスクは小さい。知恵を使って自分の手でお金を稼ぐ。今までのように会社の名前や組織に頼ったお金の稼ぎ方ではなく、自分の顔、知恵とスキルで他人を頼らず一人で小遣いを稼ぐ挑戦である。

70歳だから、皆が引退するからなどと行った理由で仕事を辞めることはないと私は思う。働ける機会と健康と体力があるならば、シニアは仕事をやり続けるべきである。私は自分で探した仕事、作った仕事、お金を稼ぐ錬金術を作ることが好き。体と精神がもう働きたくないと言うまで自分が作った仕事で老後を楽しみたい。

興味があることをする。時給が低いからやらないという考えはやめる。好奇心があれば、探求心が生まれる。知らない事を知る喜びが生まれる。私はスーパーのカート回収のアルバイトに興味を持っている。妻がそのアルバイトをやらせない。世間体を気にしているからだ。

カート回収の仕事は体力を要求するが、適当に休みながら力まないで気長にやる事と思っている。何故ならば、終わりがない仕事であるからである。自分の体力を考慮しながら、疲れたら休み、回復したら仕事を再開するで良い。そう思っている。カート回収のアルバイトは足腰を鍛える。ジムでスクワットをする以上に足腰を鍛えられる。それが私にとって魅力になっている。

70歳から引退生活、何をして楽しむのか?

年齢で人生の楽しみを区切って良いのだろうかと疑問を持つ。やりたい事をやり続けているシニアにとって年齢は関係ない。やり続けられる年齢までやるからだ。70歳という区切りは会社組織で雇用されている人が対象になる。そんな会社員にとって70歳で会社を再び卒業したら、何をして良いか分からない。

本音は健康で体力が続くまで今の職場で仕事を続けたいである。それが出来ないと分かると仕事に代わる代替えを探さねばならない。でも、見つからない。無目的に街中を歩きまわる。時間を潰す日々を送ることになる。そんな日々を送り始めると生きているのがつまらなくなる。何をすれば楽しめるのか?

今年75歳になるネット上で活発に情報を発信している方はGoogle Earthを使って世界旅行を楽しんでいる。今日は、台湾。明日はタイ。そんな感じで毎日違った国をGoogle Earthで訪問する。そんな時間の使い方もある。

結論

  • 老後の生活は人様々。70歳になったから引退生活に入る必要はない。皆が70歳だから仕事を辞めると言っているから私も辞めるなんて意味がない。
  • 仕事が生き甲斐である団塊世代のシニアは老後の生活で趣味や運動だけで満足できない。
  • 仕事をする機会があるうちは働き続けることが70歳過ぎのシニアにとって幸せではないのかと思う。