自分の足で歩けない老人の不自由な生活を考える

家内の両親を見ていると二人とも足の筋力の衰えで自由に歩けない不自由さを味わっている。91歳と85歳の二人。85歳の義母は、背中の圧迫骨折で介護ベッド生活をしている。圧迫骨折は大分治ってきている。今は、足の筋力を回復させるためのリハビリ治療を受けている。同時に週3日間のデイサービスに出かけている。

自宅で一人ベッドの上で何のできない生活を想像する。何かやってほしいと思っても直ぐに91歳の夫は来てくれない。耳が遠くなって歩くのが遅い義父は義母にとって頼れない。デイサービスに行けば、介護ヘルパーや介護士がいつも近くにいる。何かやってほしい時は、呼び出しリモコンがある。自宅での生活と違って周りには会話ができる老人たちがいる。

人によっては、デイサービスを嫌がる場合があると聞く。幸運にも義母は、デイサービスに行く度に幸せそうな顔をして帰宅する。送迎サービスがあるので91歳の義父は自宅で義母が帰宅するのを待つだけである。老夫婦の生活風景は自分たち夫婦が未来に見る生活風景なんだろう!きっと!

自分の足で歩けなくなると「自分の世話が出来なくなる」だけでなく「余生の楽しみも失う」!!

75歳ぐらいを過ぎると多くの高齢者は、自分の足の調子が悪くなる。「気が付かないうちに足の筋力が衰えて行っている」という事実に気付くのだ!歩く速度が遅くなり、足が重く感じ始める。階段を避けて、エレベーターやエスカレーターを使い始める。足の筋力が衰えに気が付く前までは、遠くに出かけても気になることはなかった。

一旦、足の筋力が衰えて歩くことに違和感を覚え始めると苦痛を覚える活動を控え始め、近場でしか外出しなくなる。今の義父がそうだ。歩くことはできるのだが、とにかく遅い。もう、踏切の遮断機がある場所を時間内に渡り切れないだろう。それを自覚している義父であるため踏切を渡った先にあるスーパーマーケットに買い物に行かない。

日常品は、自宅近くにあるファミリーマートに出かけて済ませている。足が衰えて歩く速度が遅くなった老人は、踏切遮断機がある線路を避け始める。

自分の足の衰えが自分の活動を狭める。活動が狭まると今まで楽しみにしていた友人とのお付き合いも出来なくなり、美味しい料理が出されるレストランで食事も出来なくなる。電車やバスに乗って行きたいと思っていた場所に行くことに自信が持てなくなる。自分の力で動ける範囲が狭まるという事は、人生の楽しみも狭まるという事だ。

自分の足で不自由をしていない普通の人は、足に不自由をして歩いている老人の気持ちを理解できないかもしれない。一般的に若い人は老人の精神状況を理解できない。今まで出来ていた事が老人になって出来なくなるという驚きは本人しか分からない。歳を取ってくるという事実が自分の体にどのように影響するか老人になってみないと分からない。

70歳以降の余生の楽しみ方は考えてみた。62歳の私は、まだ、現役で仕事をしている。緑内障で視野が狭まってきているが、それ以外は何も体に問題がない。週2回スポーツセンターのジムで筋トレをしている。筋力と体力は、普通の62歳の男性よりはあると思っている。70歳まであと8年間がある。

余生の楽しみは、夫婦でまだ訪問したことがない国、街に行くことだ。地元の料理を食べながら風景を満喫することだ。非日常の生活を夫婦で楽しむ。それを実現するには、(1)活動する上で問題がない健康と体力(特に足)と(2)お金だ。

お金は、自営業の仕事を継続している限り毎月入ってくる。インターネットの職人であるので体力は求められないが経験と技術力は要求される。時代の流れに乗りながらビジネスを展開できればキャッシュフローは続く。問題は、健康と体力だ。特に足の衰えに注意しなければいけない。

余生を楽しむには前提条件がある。自分の生活活動で不自由を感じさせない足の筋力と健康だ。自分の足で動けなくなった時点で天国から地獄に落ちてしまう。これが動物であれば、確実に「死」が待っている。動けなければ狩りが出来ない。食べられなくなったら飢え死にする。その前に、天敵に食べられる。

人間の場合は、家族や伴侶に必要以上の負担が行くことになる。精神的な苦痛だけでなく、肉体的な苦痛も時間の経過に伴い発症してくる。老人が介護ベッド生活を始めると自然に二つの運命が待っている。

1.リハビリを頑張って生還する

2.死を迎える

多くの老人が足の筋力の衰えから転倒して骨折をする。これが原因で二つの運命を選択する状況に陥る。生還できる老人は、前向きで生き続けなければならないという使命感に燃えている。あきらめてしまう老人は、確実に死を迎える。時間の問題で。

若い人たちは、この事実を認識できない。なぜ、老人が転倒して骨折すると「死を迎える」ことになるのかを!若い人は転倒で骨折するケースがまれである。転倒しても力があるから自分でケガから体をある程度守る事が出来る。老人は、バランスを崩した体を自力で元に戻せないほど体力が落ちている。

筋力の衰えは、老人の生命に確実に影響している。老人が余生を楽しむためには、自分の体を不自由なく動かせる筋力が必須である。

 

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