老人ホーム入居後の親の様子:肉体、精神状態、健康

義両親(妻の両親)が夫婦そろって同じ老人ホームに入居して義父は2年、義母は1年が経過した。二人とも老人ホームの環境に慣れたようだ。月に1度面会をしている。自宅に近い場所にある老人ホームであるので時々頼まれる買い物を自動車で届けることが月に2回ほどある。老人ホームに代行させると余分なお金が発生するので私たち夫婦がやっている。

老人ホームに義両親が入居してくれたおかげで私たち夫婦の介護に掛ける時間と労力が80%ぐらい軽減した。今やっていることは(1)面会と(2)買い物代行だけである。自宅には老人ホームのスタッフから義両親のやらかした出来事を逐次知らせてくれる。その度にこちらで判断したり、施設にお願いしたりする手間が発生する。

老人ホームは介護で一番大変な見守り、生活活動のお世話、食事、入浴、健康、掃除洗濯などをやってくれる。その分高額な費用が発生するが、義両親のお金で賄っている。義父は96歳、義母は93歳。二人とも100歳まで生きられるか定かでないが、既に平均寿命を超えている。

義両親の様子は面会時である程度わかる。顔色、会話、体力、健康状態、精神状態などは対面すれば読み取れる。時間の経過で驚くような事が起きる。それが私たち夫婦の不安材料になる。

親が老人ホームに入居したから安心とはいかない!

老人ホームに入居した義両親は自宅で生活をするよりも快適な環境を喜んだ。一軒家の冬は寒い。炊事洗濯掃除などをする必要がない。お風呂にも週2回介護ヘルパーが入れてくれる。週に1度特別食が有料で提供される。義両親が好きなお寿司やウナギの料理が必ずある。

入居当時は全てが順調でこちらの苦労もなかった。1年が経過して体と脳の老化で物忘れと思い込みで部屋の中の物(手鏡、便箋、ハサミなど)が無くなったと騒ぎだした。部屋の掃除整頓を担当のスタッフが盗んだではないかという思い込みが義父の精神を虫病む。盗まれたものは全て後から部屋の中で見つかっている。

体の様子

義父が老人ホームに入居した時は歩行器歩行が可能であった。椅子から立ち上がって自分の足で方向を変えながらちょっとづつ歩く事も出来た。それが歩行器から車いすになった。部屋で夜トイレに行くときにベッドから降りるのではなくずり落ちる出来事が起きた。脚力が失われて椅子から立ち上がることが出来るかできない程度になっていた。

そんな出来事が月に2回ほど起きて、その度に老人ホームから出来事の報告が来た。怪我はしていないが、医者に診察して頂いたほうが良いのではという判断を私たちに聞いてきた。車いすの生活が続くとお尻が痛くなり床ずれのような状態になりやすいので特別な車いす用クッションを購入してはどうかという問い合わせも来る。それが安ければ良いのだが、高い。

96歳の老体であるから出来るだけ快適な生活を送ってもらうために車いす用クッションを購入した。老人の体は徐々にくたびれてくる。その度に何かをしないと支援できなくなる。

精神状態

物忘れと思い込みの現象が起きた義父は部屋の掃除整頓担当のスタッフを入れ替わらせることになった。そのスタッフが自分の物を盗んだと思い込んでいるからだ。実際は自分の物忘れと思い込みなのだが、それを認めない。96歳の精神状態は体の老化に影響されて徐々に可笑しくなって行く。

担当スタッフとの相性もあるのかもしれない。この出来事は必ずしも義父だけに起きることではないらしい。他の入居者でも起きているという。老化による精神的異変を介護担当者は何度も色々なケースで経験している。

96歳の義父は認知症のテストをして高得点(30点満点中29点)を出したので認知症はない。93歳の義母は初期の認知症状態にあり、時々、その認知症がまだらのように酷くなったりする。歩行能力は歩行車があれば何処へでも歩いて行けるほど脚力は残っている。

義母の精神状態は認知症の影響かもしれないがちょっとしたことで被害妄想を起こしやすい。それが感情に火が付き極端な言動をするときがある。その頻度は月に一度有るか無いかであるのであまり心配はしていない。

健康状態

96歳の義父の体は便秘で苦しんでいる。体の筋肉を使う事が少なくなり、車いすに座っているか、ベッドに寝ているかの時間が多いため筋力が落ちている。そのため、便を出すための腹筋が衰えてしまった。食欲はあるのだが、便を出すために医者の手助けがいる。96歳の体は本来の機能が出来なくなるほど壊れてきていることが分かる。

救いは食欲があり、好きなお酒をおつまみと一緒に食べ、炭酸水でウイスキーを薄めて水分補給が取れていることである。老人ホームは週に1回コンビニローソンから出店がやってくる。義父はローソンのお得意様になっている。請求金額が月に2万円になるほどたくさん買っている。多分、老人ホームの食事をあまり食べないで好きな食べ物をローソンの出店で買って食べているのではと思っている。

水分補給と食欲があれば、生きて行く上であまり問題がないと思っている。ただ、無駄なお金がローソンに流れて行っているのが残念。その一方で96歳であるので好きにさせてあげるべきだという結論になる。

義母は活動的で老人ホームで開催されるイベントや同好会に積極的に参加している。お喋りする相手も多く、社交性面で何も問題がない。出される食事も完食している。ローソンの出店でお菓子などを買うこともない。週1回出される有料の特別食は必ず食べている。 食欲旺盛である。健康面では何も問題を感じていない。

私たち夫婦が出来ることは老人ホームの外で起きている家族動向を面会時に伝えてあげることぐらいである。あとは出来るだけ老人ホームでの問題を解消して上がるよう見守るだけ。二人の体がどうしようもなくなるまでこの状態は続く。

結論

親を老人ホームに入居さえすれば子供の負担は軽減するが、決して安心できない出来事が起きる。自宅で親を介護するよりも楽であるが、その分のお金は高額になる。親の年齢が90歳を超すと肉体面や精神面だけでなく健康面で気になる事が生まれる。老人ホームは親の安全、見守り、お世話、健康的な食事、快適な生活環境を提供する。

子供にとっては肉体的な負担はかなり軽減するが、両親の精神や肉体面で不安が残る。認知症の進行、妄想、杖から車いすでストレスが生まれる。正常な会話から違和感を覚える妄想の会話になる場合もある。親の精神状態を考慮しながら親が言っていることを判断する必要がある。

親は老人ホームが終の棲家になる事を認識している。死ぬときは蘇生処置をしないようにと言われている。その時がいつになるか不安である。

 

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