60歳定年制度を維持している会社が約80%あり、その後を再雇用にしている。65歳まで勤務延長にしている会社は少ない。定年がない会社はもっと少ない。今年定年で再雇用される60歳の会社員は、5年後の65歳時にどうするのだろうか。
60歳定年で再雇用されなかった会社員や自分の道を歩んでいった人と同じ運命が65歳になった時点にやってくる。65歳になれば、基礎年金と厚生年金が入るのでそのまま年金生活をするという人が多いかもしれない。
でも、
会社勤めの生活リズムが崩れて、自分で開放された時間をどのように使うかを決めなければならない。仕事から開放された自由がこれから大きな問題になる。
65歳から名刺が無い人生!
65歳で会社を卒業したシニアが一番寂しく感じる時は、人にあった時に渡す名刺がないことだ。名刺のない自分は一体誰なのだと自問し始める。名刺を作るにしても自分の正体を伝えるメッセージが名刺にないと「あなたは何をしているのですか?」という質問に答えられない。名刺がないシニアは名無しの権兵衛になる。
どこかの団体に所属すれば、その団体の名刺が作れる。団体組織の名前が、自分は何をする人かを代わりに表現してくれる。一番良いのは、自分はこんな人でこんな事をしているという名刺を作ることだ。
でも、
65歳で退職したシニアは、名刺を作る前に何をしたいのか分からない。それがわからないので名刺を作れないし、自分は何をする人という説明も出来ない。説明できるのは、過去にどこそこの会社に努めていてこんな事をしていましたということだけだ。こんなシニアに出会うと私はあまり興味を示さなくなる。求めるものがその人にないからだ。
目的を持って生きている人は、目的の延長線上にいる人との関係を築こうとする。
仕事から引退して毎日自由なことをして遊んでいるシニアは、次第に自分は一体誰なんだ!と思い始める。自分ブランドを作らない限り、あの会社に努めていた人としか覚えて頂けない。今のあなたは一体誰なのか?と問われたら、何も答えられない。
65歳を過ぎて引退したら、自分はこうありたい!というイメージを持ち、それに向かって自分ブランドを作り上げることだ。それが、自分の第二のキャリアを生み出すスターティングポイントになる。こうありたいというイメージで名刺を作ることだ!
名刺は自分を表現する
自分を表現する名刺がないと自分はどんな人なのかを説明しにくい。色々な会合や懇親会で名刺を持っていない人達と出会うが、話していてもこの人は何が出来る人なの?という事が分からない。その人なりを掴めないのである。定年退職をして自由気ままな生活をしているシニアは特にそうだ。
私から見れば、65歳で何もしていない人たちは社会の中で浮いている。
年金生活で経済的に困っていないシニアならば、自分で自分を表現できる自分ブランドを作ることだ。Who are you? What are you?という質問に応えられるように。神様から頂いた寿命は、何かに役立てるために使ったほうが幸せだ。生きたくても生きられない人達が多い中で生きる寿命を頂いて時間の使い方に困っているのは贅沢だ。