仕事をしていない老人、シニアが大勢いる。健康障害もなく元気な高齢者たちだ。ただ単に仕事がないから、または、もう働きたくないからという理由が多い。こんな老人たちは、暇な時間を無駄にしている場合が大半だ。私を含めて年齢が60歳以上になると何か新しい事を積極的にやろうという気が起きない。新しい事を学ぶのが面倒になる。出来るならば、今までの経験を活かすことで何かをやれれば良いと思っている。

暇で元気な老人が仕事をしないで時間を浪費する生活に入ってしまうと社会とつながって何かをやるという機会と気持ちが生まれてこなくなる。人間は、楽な方に楽な方に自然と導かれるからだ。暇をつぶす(Kill time)という言葉がある。時間は、「命」という価値を持つ。貴重な命という時間を無駄に使うのは、もったいない。

自分に与えられた時間という命をもっと満足行くように使えないか考えてみたい。

人間は不思議な動物だ。意識を一つの事に集中すると難しい事が簡単に出来るようになる。目標を決めてそれを達成しようとする強い意志が集中力を増し、目標達成への糸口を探し続ける。諦めない心が働いて時間が経つのを忘れる。気が付いたら、目標が達成されていたという事が起きる。

未来予測は誰も出来ないが、強い思いがこうありたいという自分の人生を形作って行く。これは確かだ。

人生の目標と言うか、生きがいを見失ったシニアは多い。今までは、子供の教育と住宅ローンで一生懸命会社勤めをしてきた人生であったのだがそのお役目が終了した時点で自分を見失う。旅行、グルメだけでは、暇な時間は埋まらない。心を何かに没頭させる目標が必要になる。

私の元同僚(ソニーを卒業した社員)の殆どが起業している。ソニーの社風として俺が、俺がのでしゃばり精神がそのまま老後の生活にでているのかもしれない。言い出しっぺが責任持ってやる!これが以前のソニーの社風であった。私の年代の元ソニー社員は、井深さんや盛田さんが健在であった時代の社員だ。

盛田さんのこんな言葉を覚えている。

「会社は君たちを利用する。君たちは会社を利用してほしい。もし、会社を利用できないならば入社することを止めてほしい!」こんな言葉であった。

シニアになってからの起業は、若者以上にリスクを感じやすい。長年の会社勤めで温室育ちになっているからだ。現実は、年令に関係なく起業してやりたい事をやりたいという情熱があれば、世の中はチャンスを作ってくれる。

新聞の声のコラムやインターネットニュース記事などに年金が少ないので生活苦を抱えて生きるのが嫌になった。そんな内容の記事があった。人はそれぞれの事情で老後の生活に困ることがある。その一つが、年金額が少ないために生活が成り立たないことである。

私は、老後の生活で年金額で幸せがどうのこうのと考えるのは短絡的であると思っている。年金の額が多くても、不幸せな老後を過ごす人が多い。残りの人生をどのように過ごしても最終到着駅は誰も一緒になる。お金が有る、無い、多い、少ないで何も変わらない。

お金を使って楽しい時間を過ごせる老人は幸せである。その前提条件は普通の生活が出来る健康な体である。健康障害を抱えた老人はお金を使っても楽しめない。お金で健康が買えないからだ。元公務員は手厚い年金が支給されるから幸せだなんて言っている老人は現実を知らない。世の中は年金で回っていない。ひがみに私は聞こえる。

年金額が少ない人は、事前にそれを知っている。知っているならば、年金以外の収入で補う準備をすれば問題を回避できる。それが出来ていなくて文句を言っている老人たちは、考えものである。事情でそれも出来ない人たちもいるだろうが、原則、自分の人生は自分で何とかするしかない。

人生は不思議である。貧乏な人でも幸せな人生を送っているからだ。大金持ちでも惨めな人生を送る人が多い。自分の人生は自分の状況をどう感じてどうしているかで決まる。

この世の中で確かなことは、生まれてきた事と他界する事だ。この2つの事実は、誰もが好き嫌いなく認めざるをえない。どんな人生を送っていても最後は皆同じ運命が待っている。旅の終わりだ。生まれてから旅が始まるが、どんな人生の旅であっても皆同じ終着駅に着く。

皆が同じ終着駅に着く前に途中下車して今まで出来なかったこと、やりたかったことをやる機会がある。健康で元気なうちに出来なかったこと、やりたかったことを思いっ切りやってみるチャンスが有る。定年退職は、そんな時だ。一番決断がしやすい。

自分の欲望を抑えて世間の常識の範囲で生きてきたシニアならば、定年退職後に自分の欲望を開放してみてはどうか。

60歳で定年退職をしたシニアには、元の会社で再雇用されるか、転職するか、起業するか、引退するかの選択が与えられる。多くの社員は、再雇用を選択する。再雇用で65歳まで引き下げられた給与で働くことになる。取り敢えず、65歳までは会社がシニアの面倒を見てくれる。

問題は、65歳で会社を卒業した後だ。次の仕事を探さねばならない。65歳はまだ引退するのには早い年齢。何とか年次契約社員として他社で働きたいと仕事を探すのだが、65歳以上のシニアを採用募集している会社が非常に少ない。65歳になると雇用面で冷たい風が60歳の時以上に吹き始める。

65歳を迎えたシニアの現実は65歳以上のシニアでしか分からない。

定年退職後に待ち構えたように起業をする60歳シニアがいると思えば、65歳の雇止で起業を選択するシニアもいる。起業は勇気がいる。前者でも後者でも勇気を持って起業に挑戦するシニアは称賛に値する。多くのシニアはリスクが多い起業を怖がる。

起業は子供の頃に初めて自転車に乗ろうとするときと同じである。最初は、勇気がいるし、怖い。これは確かであるが、勇気を出して第一歩を踏み出すと案外怖いものでないことに気がつく。当然、何度も落とし穴にハマって怖い思いをする。失敗して痛い目にもある。

でも、それって人生そのものである。起業の先輩として60歳、65歳から自分のビジネスを始めるシニアに有益な助言をしたい。私の経験から来る助言である。

私は夫婦で家内の父親を介護支援している。94歳になる老人であるが、実家で一人生活を続けている。義母は老健施設でリハビリ生活を送っている。毎週、1泊2日で横浜から東京の実家まで出かける。月4回の介護支援なのだが、横浜から東京まで自動車で行って1泊して帰ってくる労力は負担になる。

実質2日間、仕事らしい仕事が出来る時間を確保できない。インターネットの仕事であるので実家でも仕事は出来るが、集中しない。介護支援の仕事をやり終えた後に仕事の時間が生まれるのだが、1時間から2時間ぐらいしかない。

家内の父親であるので家内の希望に従う感じで介護支援をしている。94歳義父の老後の生活は、一言でいって羨ましい。こんな生活を送ることが出来れば、私の老後も楽しくなる。

カフェを仕事場にして仕事をしている65歳のシニアなのだが、老化現象で赤ちゃんや幼児の泣き声と叫び声に耐えられない。泣き声と叫び声は赤ちゃんと幼児の仕事なので何も文句を言えない。

ただ、カフェは赤ちゃんや幼児が一人で来る場所ではない。必ず、母親が連れてくる。母親は、自宅で子供の世話に疲れて息抜きでカフェにやってくるのだが、一人では来れない。必ず、赤ちゃんや幼児を一緒に連れてくる。ここまでは、至って自然な成り行きである。

問題は、赤ちゃんや幼児がおとなしくしていないことだ。赤ちゃんは周り構わず好きなときに好きなだけ泣き叫ぶ。幼児は、椅子にじっと座っていない。椅子から下りてテーブル周辺を歩き回る。時々、大きな声で叫び声を上げる。そんなカフェで65歳のシニアが仕事をしていると声が通る赤ちゃんや幼児の声に心臓が止まるぐらい驚く。

そんな瞬間が頻繁にあると子供連れの母親を鋭い目つきで見つめることになる。早く、カフェから出ていってくれと!心の中で叫ぶ。泣き叫ぶ赤ちゃんや幼児に「静かにしろ!」と言っても聞いてはくれない。その行為自体が大人げない。どうしたら、この状況に対応できるのだろうか?

後ろ姿から老人の歩き方をすぐに見分けられる。老人の歩行能力からその人の筋力の強さが分かる。歩行能力は、体全体の筋力に結び付いているからだ。一般的に言われることは、歩いているときに他の人にどんどん抜かれていってしまう人は、体の筋力弱体化で老化が進んでいる人である

体全体の筋力が衰えてくると足の歩幅に出てくる。歩幅が狭くなり、普通に歩いていても速度が出ない。歩行は、体全体の筋力をバランス良く使って行われる。足の筋力が大丈夫でもバランスが取れなければ歩けない。

街中を歩いている高齢者の後ろ姿を観察してほしい。トボトボと前かがみに歩いている老人を多く見かけるはずだ。なぜ、そうなるかを考えて見る必要がある。10年後の自分の姿がそうならないために今から対策を取る必要がある。

このページのシニアライター:Norito H.Yoshida

Profile

雇用される生活から自分を雇用する生活をしている。2019年現在で13年間、起業中。時間と場所に制約されないインターネットビジネスで生活費を稼いで自分独自のライフスタイルを作る。米国の州立大学 Western Washington University, B.S. in Sociology, Bellingham, Washington, USA を卒業してソニー株式会社、Yahoo!Japanで自分がやりたい事をやってきた。

最終的には、私が望んでいた起業(自分の手で稼ぐ生活)が実現。51歳の時に起業してこれからも生涯現役でインターネットビジネスの世界で生きて行く予定。今の時代は、65歳を過ぎると自分を雇用して生きて行く道しか残されていない。本来、その道が当たり前なのだが。人間は弱いので他人に頼る生活を求めがちだ。

シニアの生活実態は人様々。私が発信するシニアの生活体験記が参考になれば幸い。

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