65歳から年金生活とアルバイト生活を始めるシニアが多い。健康であるうちは、少しでも収入が年金以外からあるようにすることで日々の生活に余裕を生ませる事が出来る。困るのは、アルバイトも出来なくなる体になるときである。体力的に社会で働くのが辛くなる年齢になると年金生活だけになる。
年金収入と貯蓄で生活を始めると「節約」という言葉が日々の生活をコントロールし始める。お金について神経質になると同時に少なくなっていく金融資産に不安を募らせる。できるならば、お金を増やし無駄なことにお金を使いたくないと思う。
政府はマイナンバーカードや新紙幣の発行でできるだけ国民の金融資産を見える化しようとしている。マイナンバー制度が施行される前は、「タンス預金」の話題で世間が騒いでいた。お金がある人は「タンス預金」ができるのだが、「タンス預金」は新紙幣の発行でマイナンバー制度導入前のお金が新紙幣に替えた途端に意味をなさなくなる。
アフターコロナの社会はデジタルタランスフォーメーション(DX)に向かう。特別定額給付金10万円の支給が素早く出来ない政府のシステムでアナログ的なやり方に国民が不満を持ってしまった。それを解決するためにお役所の作業をDXしようと動き出している。海外ではFAXでの情報伝達は時代遅れで使われていない。日本のお役所ではまだ現役である。
お金はできるだけデジタルキャッシュでと政府と社会は動いている。スマホがないと何も買えない時代が今にも来そうだ。シニアがポストコロナの時代を生きて行く上で生活のデジタル化は避けられない。現金はなくならないが、キャッシュレス決済をする場面が多くなる。
下北沢駅近くにあるベトナム料理店に入ったら、テーブルにメニューがない。あるのはQRコードが印刷された1枚の紙である。スマホでQRコードを読み込ませてウエブでメニューと注文をさせている。スマホやQRコードの使い方を知らないシニアには利用できないベトナム料理店になっている。
シニアは手で触れる、目に見える実態のあるものを好む。しかし、これからの時代は目に見えないものを信用する決済に慣れなければならない。
シニアはスマホでお金を使うキャッシュレス決済生活に慣れる必要がある
シニアが金融資産で悩むのは、たくさんお金を持っている人だけである。2000万円以上の金融資産があるシニアがどれだけいるのだろうか。一般庶民のシニアは、手持ちのお金を増やすか、節約するかで悩んでいる。
政府は、国民が所有する金融資産の流れを監視して出来るだけ税金を多く取れるようにマイナンバー制度や新紙幣の発行で税金対策を強化しようとしている。年金生活をして食べていくのがやっとのシニア層にとって心配する必要もない。
マイナンバー制度
マイナンバー制度は既に実施されているが国民全員がマイナンバーカードを登録・所有していないのが現状である。お金の出入りを監視する制度がマイナンバー制度の要である。見えていなかったお金の流れを個人や法人ベースで監視できるようになる。
シニアにとってマイナンバーカードは、身分証明書以外に役に立つことがあまりない。その意味合いでは、身近なカードとは言えない。クレジットカードとマイナンバーカードでどちらを頻繁に使うか聞けば、クレジットカードとなる。
国民にメリットを感じさせない行政のためのマイナンバー制度であるため、マイナンバーカード登録をする人が増えないのが現状である。銀行で新しく口座を開くときにマイナンバーカード番号を求められる。証券取引でも同様である。お金が動く場所では、マイナンバーカード番号を記載する手続きが義務化されている。
会社や会社員は、マイナンバーカード番号の取得を強制的にせざるを得ない。問題は主婦や老人たちである。彼らの生活では、必ずしもマイナンバーカード番号を提出する必要性が少ない。多くの主婦は、マイナンバーカード登録をしていない可能性が高い。
金融資産が多いシニアほどマイナンバー制度でお金の動きを監視される。お金があまりないシニアは、マイナンバー制度を気にする必要がない。
新紙幣
1万円、5千円、千円の3種類のお札(日本銀行券)と500円硬貨が2024年(令和6年)に一新される。今まで使っていた紙幣を新しい紙幣に取り替える必要性が出る。旧紙幣は今後しばらくしてATMの機械で認識されなくなる。旧紙幣自体は貨幣として使えるが、利便性の面で問題を持つ。
自宅にタンス預金として多額の貨幣を置いているとATMなどの機械を使って送金、振り込み、振替などの手続きができなくなる。そんな不便が旧貨幣に起きる。貨幣としての価値は変わらないので心配はいらないが、多額のお金を動かそうとするとそれが銀行の窓口経由でしかできなくなる。
政府は、旧紙幣のタンス預金を新紙幣発行で見える化させる。安全に旧紙幣を使うには、人間による現金手渡しでしかない。
水商売の脱税行為は、現金取引で起きる。現金取引は、取引の記録が金融機関に残されない人間による手渡しで起きる。旧紙幣のタンス預金は相続対策として使われるが、新紙幣に取り替えた途端にどこからこのお金が出てきたのかを調べられるリスクが生まれる。
タンス預金
金融機関を通さないお金のやり取りは、記録されない。タンス預金によるお金のやり取りは記録されないのだ。現金にマイナンバー情報は隠されていない。お金持ちが自宅の金庫に現金を沢山置いている理由がここにある。それを一般庶民(貧乏人も含めて)もやり始めている。マイナンバー登録されていない銀行口座から現金を引き出している人々が増加しているようだ。
税務署にとって、国家にとって、マイナンバーを使ってこの人はどれだけ所得を稼いでいるのかを知ることが出来る。稼ぎ出しているお金は、金融機関経由で出入りする。マイナンバーはそれを見ている。今、タンス預金をしてもこれから入ってくる所得は全てマイナンバーが関わっている。
お金がある人もない人もタンス預金は、一時的な対策でしかない。特定の目的で一時的な対策をすることで叶えられるならば意味がある。それ以外は、今からタンス預金をしても将来的に意味が無いのではないか。
デジタルキャッシュとスマホ
私の年代、60歳代のシニアはスマホ決済に慣れていない、使っていない人が多い。私を含めて現金主義であるからだ。スマホ決済は若い人たちの間で使われている。シニアにとってスマホはまだ移動電話機としか見られていない。スマホ決済なんてものはわけもわからない。
新型コロナウイルス感染対策で非接触決済が注目され始めた。現金にもコロナウイルスが付いている可能性があるという理由だ。そのリスクを避ける意味合いでスマホ決済を広めようと民間企業も政府も普及活動をしている。コロナウイルスとの共存生活が当たり前に慣ればなるほど私達シニアも非接触決済の方法を生活に取り入れていかねばならない。
シニアはクレジットカードをキャッスレス決済にする
クレジットカードは手で触れるカードである。スマホの中にあるアプリで決済するデジタルマネーではない。スマホをうまく取り扱いができないシニアはクレジットカードがキャッシュレス決済の手段になる。クレジットカードを持っていないシニアは無料発行&無料月額費用のクレジットカードを入手する必要がある。
一番簡単なのは銀行が発行するキャッシュカード一体型のクレジットカードである。または、イオンなどのスーパーが発行するクレジットカードなどが取得しやすい。年金生活者でも今の時代は問題なく年令に関係なくクレジットカードを取得できる。
PayPayなどの決済アプリを使うデジタルマネーは使い方で問題がある。簡単ではないし、分かりづらい。デジタルマネーを使うよりも現金の方が早く支払いが済む場合が多い。
結論
老後の生活は、お金を貯めるよりも有効に使う事が大切である。多額の金融資産があるシニアは、相続対策で現金をタンス預金にしたり、海外の銀行に貯蓄したりして節税対策をする。
金融資産が十分にない一般庶民は、今あるお金で節税対策をしても意味がない。マイナンバー制度や新紙幣発行で見えていない隠されたお金が表に出て見える化されるからだ。
節税対策でお金のことで悩むならば、今あるお金をもっと有効に使うことで悩んだほうがお得だ。老いてくるとお金の価値が下がってくるからだ。元気で健康なうちにお金を使って楽しい時間を過ごすほうが良い。健康を害したら、お金を使って楽しめなくなる。
ポストコロナの社会ではデジタルキャッシュ(現金以外による決済)が求められる。コロナに感染しないために非接触決済が奨励される。QRコードを使ったスマホ決済は政府が推し進める非接触決済方法になる。シニアにとってスマホは電話機でしかない。これからの時代を生きるにはスマホと非接触決済を生活の中に取り込む必要がある。