日本では、ネクタイとスーツを身につける=会社で働くというイメージがある。私は、社会人1年生から38歳までネクタイとスーツの生活をしていた。ソニーに転職してからは、ネクタイとスーツ姿が急激に減った。特別な業務(営業、会議、出張など)に限られた。
51歳の時に起業して法人向けサイト構築を始めた時は、いつも、ネクタイとスーツ姿であった。13年が過ぎて今はネクタイとスーツを着ることがない。法人向けサイト構築で営業をする必要がなくなったからだ。何らかの事情でお客さんの会社に訪問する時は、原則、ネクタイとスーツを着る。
いつもの仕事姿は、スポーツシューズ、ジーンズ、ジャケットと言った感じが多い。
会社に雇用されているシニアはネクタイとスーツ、それ以外は私と同じ姿
営業活動が必要な仕事をしているシニアは、ネクタイとスーツは必須だ。見た目の印象を良くするには、ネクタイとスーツでないと駄目だ。お客さんとの接触があまりない職業、例えば、私の仕事(インターネットビジネス)は必ずしもネクタイとスーツは必須ではない。
1日仕事をしてお客さんに会うことはない。自己完結型のビジネスをインターネットでしているとお客さんはサイトに来る訪問客になる。私の顔や姿は見えない。ネクタイとスーツの姿でなくても訪問客への印象は変わらない。ホームページとコンテンツが私の代わりをしてくれる。
街中を見渡せば、ネクタイとスーツ姿のシニアの数が非常に少ない。多くのシニアは、スポーツシューズ、ジーパンか綿パン、ジャンパーかジャケットだ。カジュアルな服装で横浜界隈を歩いている。
アルバイトやパートで働いているシニアは、仕事先のユニホームになる。通勤ではカジュアルな服装だ。ネクタイとスーツである必要がない。労働者の年齢と勤め先、または、職業で着るものが違う。米国の労働者の35%がフリーランス労働者だと言う。多くは、インターネット経由で仕事を受けている。
日本でもフリーランスで仕事をしているIT関連の労働者が増えている。シニアでは専門職に限られるが。フリーランスの仕事は、専門的なスキルが求められる。誰もができるという仕事ではない。私の年代のシニアでは、無理だろう、または、少数だろう。
もし、多くのシニア男性がいつも外出時にネクタイとスーツを着ていたら、横浜の街の風景も相当変わるだろう。シニアが活発に働いているという印象が強く映り出す。カジュアルな姿は、いかにも遊んでいるという印象がつきまとう。
現実は、時間を持て余してブラブラしているシニア男性が多い。ネクタイとスーツを着る必然性もない。会社員時代に着たネクタイとスーツが行き場がなくたくさんクローゼットに釣り下げられている。ネクタイとスーツが自分の出番を待っているのだが、特別な行事しか出番がない。
時々、私はクローゼットで息苦しくなっているネクタイとスーツを取り出して外出時に着て上げる。クローゼットで自分の出番を待ち焦がれているネクタイとスーツの気持ちになってその欲求を満たしてあげている。