人手不足の業界でシニア人材は働けるだろうか?

シニア人材

ケーキのように甘いシニア人材の需要は本当にあるのだろうか。普通の人材のように働けるシニアの年齢は、60歳から70歳までだろう。一部、75歳までかもしれない。健康で普通の生活が出来ているシニアたちだ。横浜の街中を歩いていると私(61歳)よりも年配者が元気よく歩いている。

昔、ウエディングケーキは25歳までという言葉があった。今は、シニアのケーキは70歳までだろう。

シニア人材の労働力はどの業界で求められているのか?

労働力が不足している業界は、低賃金、重労働が付いて回る。典型的な業界として建設業界、介護業界、保育業界などだ。低賃金はシニアにとって我慢できる範囲だが、重労働は負担が大きい。建設業課と介護業界では、シニアが行う作業が限定されるだろう。

でも、今は確実にこの二つの業界で人材不足がある。2020年の東京オリンピックに向けて建設業界の労働力不足は一層高まる。体力に自信があるシニアならば、割高の賃金で雇用されるかもしれない。今後の需要傾向に注目すべきだろう。

介護業界は、建設業界以上に重要は高まる。劣悪の環境で夜昼関係なく介護が必要なシニアのお世話をしなければならない。痴ほう症で普通の会話が出来なくなった老人や自分で身動きが出来なくなった寝たきり老人などをお世話するのは大変だ。

介護の職場に集まる労働者は、社会からはみ出された労働者が多いと聞く。質の高い人材は少ない。体力と忍耐があれば、すぐに雇用される感じだ。低賃金と重労働の職場には、優秀な若者や労働者はやってこない。当たりまえの話だ。労働条件がすごく改善されない限りこの現状は変わらないだろう。

でも、介護する人材が求められている。

建設業界でも介護業界でも労働支援ロボットがこれから導入される。重いものでも楽々持ち運べるロボットスーツを着れば、シニアでも普通以上の重労働が可能になる。これが一般的になれば、甘いケーキのようなシニア雇用が生まれるだろう。

介護業界も腰痛にならないように労働支援ロボットスーツが導入されるはずだ。問題は、力仕事よりも精神的なストレスではないか。一人の人がお世話する老人が大勢いると精神的な負担が急増する。この負担を和らげるには、介護スタッフの人数を増やすしかない。シニア人材をたくさん短時間雇用すれば、介護による一人の負担は和らげられる。

誰もが理解している論理だが、人は集まらないという。人間を取り扱う仕事であるから負担が大きい。責任問題も生じる。老人の気持ちは老人が一番身近に感じ、理解しているので元気なシニアが介護を必要としている老人のお世話をするのは理にかなっている。

介護業界の労働条件は政府が重い腰を上げて解決策を打ち出さないとシニアも目を向けなくなる。シニアが介護を支援すれば優先的に介護施設に入れるというような仕組みが政府や自治体で実施できればシニアの目も変わってくるだろう。

一つ注目したい市場は、保育市場である。

シニアでも保育園で仕事ができるのである。保育士の資格もいらない。保育士アシスタントという職業だ。子供が好きで子供お世話をしたいシニアだけでなく、保育園という仕事場で求められる雑用の仕事がある。安全に子供たちが遊べるように園庭を整えたり、保育施設のトラブルを解消したり、子供の安全を見守ったりする雑用業務だ。

専門的な保育士の仕事は、資格を持った保育士に専念してもらう。保育士の専門でない仕事をシニアの保育士アシスタントが代行する。

これをするだけで保育士はより多くの子供に目が行きやすくなる。保育業界は、シニア人材にとって甘いケーキの市場であると私は思っている。