郡上八幡の町中を歩きながら一休みするカフェを探していた。突然、呼びかけられた。「ここの下にハートマークの鯉がいるよ。見てごらん!」と知らないシニアが私たちに声を掛けた。
用水路の中に鯉が集まっている。この立て看板の下にある鉄格子の中を見ると、確かに鯉がたくさん集まっている。良く見たら、カフェの店であった。あの知らないシニア男性は、カフェのマスター。これは何かの縁と思ってここで一休みすることにした。
郡上八幡では、「ありがとう」を「おおきに」と言っている!関西ではなく、岐阜の山奥だ。
珈琲館チロルの中は、昔ながらの純喫茶を匂わせる。1杯430円の川崎ブレンドを頼む。元気が良いウエイトレスの若い女性(アルバイトで働いている主婦らしき女性)が可愛かった。もっと、じっくり彼女の顔を眺めれば良かったと後悔している。妻は、聞いたことが無いメニューを頼んだ。出てきたものは、コーヒーゼリーの上にアイスクリームとホイップクリームが乗っていた。
30分ほど、足を休めながら店内でお客さん(地元のおばあさん:常連客らしい)とマスター、アルバイト女性がおしゃべりしていたことの聞いていた。会話は至って日常的な内容だったが、言葉は標準語に近かった。
ただ、
お客さんが帰る時に可愛いアルバイトウエイトレスが、「おおきに!」と言ったのに驚いた。岐阜の山奥では、関西弁が使われるのかな?と一瞬思った。支払いをするときに可愛いウエイトレスの女性にこの疑問を投げてみた。「先程、おおきに!という言葉を聞いたのだが、こちらでは関西弁を使うのかな?」と。
彼女からの回答は、「岐阜県内でありがとうをおおきにと言うのは、郡上八幡周辺だけですよ!」と。なぜ、そうなのかは彼女も分からないらしい。
日本国語大辞典では、
《おおきに》北海道松前郡, 岩手県宮古市, 気仙郡「こんなに遠いどごおーぎに」, 山形県, 茨城県, 栃木県河内郡, 千葉県夷隅郡, 新潟県佐渡, 東蒲原郡, 石川県鳳至郡, 福井県, 山梨県, 岐阜県, 静岡県志太郡, 島田市, 愛知県, 三重県, 滋賀県, 京都府, 大阪府泉北郡, 兵庫県, 奈良県, 和歌山県「おーきにやでー」, 鳥取県, 島根県隠岐島, 広島県安芸郡, 山口県豊浦郡, 大島, 徳島県, 香川県, 小豆島, 高知県, , 福岡県粕屋郡, 長崎県, , 大分県大分郡・南海部郡, 宮崎県, 鹿児島県
となっている。「おおきにありがとう(大有難)」の略が「おおきに」となったらしい。
現在もこの地域で「おおきに」という言葉がありがとうの代わりに使われているかどうかは、分からないが岐阜の郡上八幡は使っている。これは確かだ。
いつも、ありがとうという言葉の空間で生活をしているので、「おおきに」という言葉がすごく心地が良い。
この記事「「ありがとう」を「おおきに」という岐阜の郡上八幡」のポイントは、
- 岐阜の郡上八幡では「ありがとう」を「おおきに」と言う。
- 町中を歩きながら珈琲館チロルのマスターに呼びかけられる。ハートマークがある鯉がいるよと。
- いつも、ありがとうという言葉の空間で生活をしているので、「おおきに」という言葉がすごく心地が良い。