70歳になったら身体を楽にさせない生活に変える

2日前に静岡にある実家を墓参りで訪れた。76歳の兄夫婦が実家を継いでいる。兄は仕事をやめて自宅で好きな事をして遊ぶ生活を送っている。外出する生活のリズムがないために足をあまり使わない生活になってしまった。その結果、身体の筋肉量が減り、老化を早め歩く姿勢も老人の姿になってしまった。

生活の中で歩く習慣がないシニアは歩行困難になりやすい。仕事で毎日通勤する生活をしていれば足腰を使う生活であるので問題はないのだが、自宅でソファーや椅子に座って生活する時間が多いと足が楽な生活に適応してしまう。その結果、足腰の筋肉だけでなく体全体の筋肉もすごい勢いで減っていく。

70歳を過ぎると使わない筋肉は衰えて体から消えて行く。その悪影響が歩行困難である。自分の足で歩ける距離なのに自動車、バイク、自転車などを使ってしまう。散歩する距離も時間も短くなる。高齢者の身体は活動が減少するとそれに合わせて体の機能も落ちてくる。目に見える状態が歩行困難である。

腰を曲げて前のめりの姿勢で歩き、歩幅も狭く、歩行速度も遅い歩き方になると老人の歩き方になる。それがもっと悪くなると杖や歩行車を使わないと歩けなくなる。最終的には手動車椅子や電動車椅子での移動になる。

身体を楽させない生活習慣を作る

体を楽にさせない生活習慣は意識しないと作れない。一般的にはシニアは体を楽にする生活が当たり前と考えられている。老化で体力が落ち始めるからである。シニアの体力が落ちる原因は老化だけではなく、生活習慣による理由が大きい。シニアの体は積極的に使わないと錆びてくるのが速い。

使わない関節や筋肉は動きづらくなる。体を楽にする生活を続ければ続けるだけ体力はどんどん落ちていく。体を活発に動かす生活習慣に変えて行かないと今まで動いていた関節や筋肉が使い物にならなくなる。それを意識して体を楽にさせない生活に改めるべきである。

健康のために自動車、バイク、自転車に乗る頻度を減らす

静岡県の田舎にある実家に墓参りをした。田舎であるため住民の年齢が70歳以上。バスの時刻表には1時間に1本しか書かれていない。ちょっとした買い物に文明の利器を使わざるを得ない。田舎の生活で自動車、バイク、自転車などは必需品になっている。そのため、足を使う生活が少なくなっている。

農業や漁業など肉体労働を仕事にしている田舎人ならば、自然と足を毎日使うので歩行困難になることはない。既に仕事をやめて自宅での生活が中心の高齢者は運動不足に陥る。運動不足は別に田舎の人に限らない。都会で生活をしているシニアも仕事をやめれば、自然と自宅にこもる生活になる人が多い。状況は田舎も都会も同じである。運動不足のシニアが歩行困難になる。

団塊の世代が多い70歳代は目的を持ってアクティブに動く方と社会とのつながりが切れて自宅で受け身的な生活を送る人に分かれる。アクティブに活動するシニアは自然と足を使う生活になる。外に出て活動する。都会ならば、電車、バス、自動車、バイク、自転車などの交通手段の選択肢が多い。交通の便が良い都会のシニアは電車やバスを使うことが多い。その時、自然と足を使うことが多くなる。

田舎のシニアはまず自動車を使う。電車もなく、バスの本数も少ない田舎である。バイクや自転車よりも自動車のほうが楽である。自動車を使う機会が多くなればなるほど自分の足を使うことが減る。意識して足を鍛えることをしないと時間の問題で歩行困難になる。

都会も田舎も自分の足を使う生活を維持しなければ、足の筋肉量が減少して歩行困難になるのが目に見えている。今は大丈夫だと感じていても足が疲れやすくなり長距離を歩けなくなったと感じ始めたら、足をもっと使う生活に変える必要が出てくる。歩ける距離ならば、自動車、バイク、自転車を使わないで歩く。そんな考えで歩く習慣を生活に取り入れることでフレイル(歩行困難)予防になる。

私の生活習慣は自宅から最寄りの駅まで歩く。往復3.5キロになる。これを自動車や自転車に変えても良いのだがあえてそうしていない。生活の中に必ず特定の距離を歩く要素を入れることで足腰の筋肉を鍛え続けられる。自宅は丘の上にあるので帰宅時は10キロのリュックを背負いながら上がって行く。これだけでも足腰は鍛えられる。それも毎日である。

駅では必ず上がり下りの階段を使う。この10年間、駅でエスカレターに乗る機会が非常に少なくなった。階段を上がって息が切れることも減った。シニアにとって駅の階段の上がり下りは疲れるので体を楽にさせない。それでエスカレターやエレベーターを使う。その時は良いのだが、そんな生活習慣を維持していると確実に足腰の筋肉は衰えていく。

その仕組を理解していても何も行動に起こさないシニアは時間の問題で歩行困難になって行く。自分の足を楽にさせない生活習慣に切り替える必要がある。

地域のスポーツ教室に参加する

楽しみながら体を動かすスポーツを生活の中に取り入れると筋肉を刺激して体力を維持できる。どんなスポーツも足腰を使う。体を動かすことは足を使うに等しい。どのスポーツが自分に合っているか分からない方は地区のスポーツセンターで開催している運動教室に参加してみることである。体験してみて自分に合ったスポーツを見つけることが一番良い。

70歳を過ぎると体力の衰えを体で自覚し始める。そんな体力で楽しめるスポーツを見つけてしばらく続けてみることである。続けながらそのスポーツを生活のリズムの中に取り込んでいく。 地区のスポーツセンターが開催する運動教室は定期的に行われるので運動習慣を身に着けやすい。同時に新しい知人や友人を作りやすい。毎回募集するので色々な方との出会いがある。ゲートボールなどではチームが固定されるので排他的な雰囲気がある。

私のように筋トレをやりたい方はスポーツジムでトレーナーの指導を受けて筋トレ習慣を身に付けることから始めると良い。70歳から筋トレを始めても続ければ筋肉貯金は貯まる。予算を決めて3ヶ月ぐらいパーソナルトレーナーに指導して頂くと筋トレの基礎知識と正しいフォームを学べる。一人でスポーツジムに入会して始めても続かないシニアが多い。 

定期的に通いながら楽しみながら体を動かすスポーツ教室はこれから運動を生活のリズムの中に取り入れたい70歳代シニアにオススメである。

朝と夕方の散歩は階段や起伏が多い場所を歩く

散歩はシニアにとって気分転換と自宅から外に出る機会を提供する。70歳代のシニアの多くはペットと一緒に散歩する生活のリズムが作られている場合が多い。平坦な道路を散歩するシニアが多いが足腰を鍛えるつもりならば、階段や起伏が多い道を散歩ルートに取り入れることである。

朝夕の2回の散歩よりも朝昼夕の3回の散歩をおすすめする。食後の散歩は急激な血糖値上昇を解消する。1日に3回散歩をするだけでも違いはある。注意する点は歩く時間と距離、そして、階段や起伏がある散歩ルートであるかである。ペットの散歩時にペットと一緒に走ることをする。走ることができれば、その分だけ体を楽にさせない。昔から老人は機会あるごとに体を動かす事と言われている。

毎日の散歩を有効に使うことを考えてみる。工夫することで散歩が楽しくなる。変化が出て良い刺激が脳に伝わる。1日3回の散歩は無料でできる。定期的な運動習慣がないシニアは1日3回の散歩から始める。

1日の半分は外出先で時間を潰す

自宅で暇をつぶす70歳代シニアであるならば、毎日外出する方法を考えてみる。外出するには目的が必要になる。目的があれば、行き先も決まる。外出すれば必ず足を使うことになる。自宅以外の社会環境に触れることで脳や体に刺激が伝わる。

70歳を過ぎてアルバイトやパートが出来るならば、やってみる。仕事が見つかれば、必然的に外出する目的が出来て行き先も決まる。働く仕事がなければ、人が集まる場所に出かけて人間観察をしてみる。ショッピングモール、駅周辺、公園、図書館などが行き先になる。

無目的で外出しても良いが半日を潰すだけの目的と行き先をその時に見つけられない。毎日外出する必要がある趣味があれば、その趣味を追求してみる。私はカフェでインターネットの仕事をしている。仕事がなければ、カフェに行っても読書するか、スマホで情報散策するかしか無い。半日カフェにはいられない。仕事をしているからカフェで半日時間を使う。

1週間の外出スケジュールを作ってみる。住んでいる近くで行われるイベントを中心に外出目的を作ってみる。毎日違う場所に出かけて何々をするという計画があれば、外出する目的と行き先が自然と決まる。 

自宅でテレビを見ながら受け身的な生活を続けるのは老化を進める。肥満になり筋肉量も減り、健康的にマイナスになる。70歳からは「体を楽にさせない生活習慣」を身に付けることである。

結論

健康というテーマはシニアの一大関心事である。特に歩行困難にならないようにする方法についてはわらにもすがる感じがある。団塊世代を両親に持つ子どもたちは両親が自宅にこもって外出しない生活に危機感を抱いている。足を動かさないと早い時期に歩けなくなるということが分かっているからだ。

足腰を鍛えることを政府も医者も奨励している。足腰を鍛える運動はいつ始めても良いのだが、普通のシニアはある年齢と体力になると諦め始める。私の兄は76歳になる。持病として糖尿病を持っている。仕事をやめて自宅で好きな事をやっているのだが、足をあまり使わない生活である。

兄の妻、私の姉からも足を鍛えるために外出する生活習慣を身につけることを強く勧めているのだが、聞く耳を持たずである。本人は頭では理解しているのだが、疲れやすい足をもっと疲れさせる運動はやりたくないという。このままの生活を続けると最終的に車椅子の生活になるいことを知っている。

彼は足腰を鍛える生活に挑戦する意志がない。76歳にしてPoint of No Returnになってしまった。もう、行き着くまで足を楽にさせる生活を続けるようだ。

自分の足腰を鍛える生活習慣や運動を始める年齢は早ければ早いほど身に付きやすい。強い動機付けや意志力があるシニアならば、年齢などは関係ない。やろうと思った時が足腰を鍛える年齢になる。

動くことを億劫に思い始めたら、Point of No Returnに差し掛かっていることを知るべきである。Point of No Returnを過ぎたら、歩行困難を改善しようと思っても「老化と楽をしたい欲望」に負ける。

そんな状態になる前に身体を楽にさせない生活習慣を身につけることである。

  

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