高齢者の孤独死の後片付けは誰がするのか?

高齢化社会から生まれて来る高齢者の孤独死は、テレビ番組でニュースとして取り上げられる機会が増えてきた。新聞にも孤独死の事件が公共団地で起きていると報じられている。老人の世界は、老人と生活を共にする人しかわからない部分が多い。

2016年10月2日午後14時からのフジテレビ番組「ザ・ノンフィクション」で放映された「孤独の後始末 請け負います」は、他人事ではない。そんなインパクトを自分に与えた。 

幸運にもまだ私は家族も仕事もある。年齢も64歳だ。シニアの入り口に立っている。

孤独死の後始末は誰かがやらねばならない! 

不動産業界、建築業界は、新聞広告で頻繁に老後の生活安定で大家さんビジネスを勧誘している。老後の経済的安定をアパート経営で相続税対策も同時にとうたっている。 

大家さんビジネスは、部屋を借りる住民によって問題を抱える場合が多い。必ずしもストックビジネスとして賃貸住宅を提供していれば自然とお金が降ってくるというわけにはいかない。不動産会社による詐欺的な商法もまかり通っている。世の中は甘くない。 

弱者の高齢者ほど衣食住で問題を抱える。家族関係が良ければ、家族がある程度面倒を見る環境があるが、すべての家族が老人を喜んで自分たちの家庭に引き取ってくれない。 大家族主義から個家族に日本社会は米国文化の影響で変わってしまった。

老人は年を取れば取るほど孤立する。老人を受け入れてくれる賃貸アパートも老人の孤独死を恐れて貸してくれないという。大家さんビジネスにとって事故物件を抱えると色々な面で負担が多くなるからだ。

弱者の独り者老人の居場所は一体どこにあるのだろうか。老人問題は、これから大きな社会問題になる。生産的な労働が出来ない老人たちを日本の社会はどのように受け入れるかが問われている。

一人で生活をしている老人が団地で増えている。団地が老朽化して住民も老人になってくる。伴侶に死に別れ一人生活をしている高齢者が多い。孤独な独り者老人は、これから急増する。

その中には、孤独死を迎える老人も多いだろう。毎日顔を合わして一緒に生活をしている人がいれば、孤独死は防げる。老人の孤独死が増えると特殊清掃のビジネスも増える。

孤独死をした住居の清掃は、特殊な清掃のようだ。死臭対策、遺品整理、消毒など普通の清掃作業とは違う。誰もがやりたいという清掃ビジネスでもない。でも、誰かがやらねばならない。そこにビジネスとしてのチャンスがあるからザ・ノンフィクションで登場する特殊清掃業者が生まれる。

嫌な仕事だと思う。孤独死の親族や家族、そして、大家は、特殊清掃業者に頼らずには いられない。シニアの入り口に立つ私としては、敢えて皆が嫌がる仕事をしている特殊清掃業者にエールを送りたい。誰もが出来る仕事ではないからだ。