義両親の自宅で義母を介護していると老人宅特有の現象を目にする。自宅の周りで使うサンダル、キッチン用品、掃除機、物干道具。古くなった製品や道具がアチラコチラに置いてある。古いものを長く使うことがその世代の得なのだろう。戦後、物資が少なかった時代に育った人たちだ。私達、戦争を知らない世代とは違う。
義母の介護をしながらこのサンダルは危ないと感じた。サンダルの踵が半分だめになっていて履きにくい。これを引き続き履いていればきっと転倒してしまうのではないかと思ってしまう。キッチンにある鍋を使って料理を作ってみようとしたのだが、鍋の古さに驚いてしまった。もう使われていない材質の鍋でそこが凸凹になっている。
ちょっと目を凝らして見てみれば、古くて使えそうもない物で溢れている!
日常製品で時代遅れになったものを買い換えて便利にする
足腰が弱くなって自分で買い物が出来なくなる体になると必要な日常製品を買い換えることをしなくなる。買い替え製品を買っても重ければ持って帰れない。買い物は食料などの必需品に限定されてしまう。今回、強制的に買い替えをしたのは、自宅の周りで履くサンダルと自宅内でタオルなどを干す洗濯物干しである。
2つとも壊れているため、老人が使っている内に怪我をするリスクがあったからだ。壊れているものを使い続けていると思わぬ時に怪我をすることになる。そのリスクに気がついていない老人たちだ。使えるまで使うという考え方がかえって危険な状態を作り出す。
キッチンでガスを使う料理も老人にとって危なくなる。電気料理機を義両親の長男が購入してくれた。老人がガスコンロを使うのは自宅を火事にする可能性が強い。安全機能付きの電気機器ならば、余程のことがない限り安全性は確保できている。
介護や介助が必要になっている義両親の生活をより便利にするために、より安全にするために私たち夫婦の目から取り替えたほうが良いという物を一つ一つ吟味しようと思っている。最初から勝手に新しいものに取り替えてしまうのは、老夫婦の反感を買ってしまうのでひとつづつ納得が行く説明をしてから買い替えをしようと考えている。
老夫婦で買い替えの判断ができれば良いが、時代の技術革新が激しすぎて何が良いのか、悪いのか分からないのが戦争体験がある老人たちだ。時代に乗り遅れて生活を今まで続けてきた老人世代は、私達の目から見ると石器時代で生活している旧人類のように思える時がある。
老夫婦の生活で新しい物で便利を体験できるものから徐々に買い替えて行きたい。93歳と88歳の老夫婦だ。60歳代、50歳代の私たち夫婦からしてみれば、かなり生活環境が違う。老夫婦の安全と利便性を第一に考えて簡単に使えるものから始めていく。