70歳代の元会社員は、厚生年金と国民年金で普通の生活が成り立っている人が多い。こんな状況になると仕事をしないといけないというプレッシャーが生活にない。
そんな生活環境にいる70歳代の元会社員たちは、どこかに生きがいを見いだそうとしている。そんな70歳代の高齢者と交流を深めているのだが、何を本当にやりたいのかが見えてこない!
70歳代の元会社員が生きがいを見つけられない理由はこんな所にある!
今まで会社で仕事をしてきた生活習慣は、絶えず、上から仕事が落ちてきてそれを忠実にこなすという物であった。組織の歯車として仕事をしてきた人たちだ。歯車としては凄く優秀なのだが部品でしかない。自分一人でビジネスを興すレベルまでのメンタリティー、挑戦意識、そして、勇気がない。
起業しないと食べていけないという状況下にない70歳代の元会社員たちは、自分で何かを興すというリスクを取ろうとしていない。その必要性も感じていない。何もしなくても年金で不自由なく食べていけるからだ。
私が所属するNPO団体には、優秀な元会社員たちがいる。彼らに歯車が回る機会と場所を提供すれば、凄い成果をもたらすと私は思っている。現時点での働き方は、自分が大企業時代に縁を持った人脈紹介ビジネスしかない。これって、彼らのリソースのほんの一部しか使っていない。
NPO団体のメンバーになった理由は人それぞれであると思う。本質的に元歯車の機能を活かせる機会と場をこのNPOで見つけようとしている所に落ちる。
だが、
民間の企業と違って、NPOの仕事は自分が進んで求めない限り落ちてこないし、嫌ならば仕事を受けなくても良いという緩い組織ルールで成り立っている。待ちの姿勢は、機会損失をもたらす。積極的に仕事をしたい人にとっては、新しい仕事場として活用できるだろう。
多くの70歳代の会員は、NPO団体が提供する仕事に魅力を感じていないというか、求めている物が見つからないため、定例会でも席を温めているだけである。このような状態にいるシニアは、時間と能力を無駄にしている。自分ができる仕事を見つけるとその仕事が生きがいにになり、シニアの目が輝き出す。そんな仕事が見つからないだけである。
このNPO団体に所属してもう2年近くなる。自分なりにシニアが持っているリソースを再利用できるビジネスを企画、提案、実施してきた。その1つが、中小企業の海外ビジネス支援ポータルサイトビジネスである。70歳代の多くのシニアにとってインターネットやホームページという分野は、異次元の分野に映る。
それを十分承知の上で始めた新しい情報発信サービスビジネスなのだが、想像していた通り上手く回っていない。参加メンバー全員が営業活動でコミットしていない。 と言うか、過去に体験していない新しい物を進んでやろうとしない。新しい物を進んで学んで開拓していくという姿勢が生まれていない。
これが、リソースが遊んでいるシニアたち、新しい生きがいを見つけていない70歳代元会社員たちの特徴であると私は感じている。
老人は時代に取り残される。意識の面でその傾向が強い。元大企業で優秀な成績を残してきた元会社員であってもそうである。社会に貢献できるシニアは、時代について行こうと努力をするシニアたちである。時代に押し流されて行き、漂う生活に不自由をしいないシニアは、生きがいを見つけられない。