65歳に近づくと会社勤めをしているシニアは、老後の人生を真剣に考え始める。会社を完全に卒業する年齢であり、年金をフルで頂ける年齢でもある。仕事のしがらみから完全に開放される。そんな自由を喜ぶ半面、65歳以降の人生をどう過ごせば良いか不安を隠せなくなる。
旦那がそんな精神状態になると同時に奥方も老後の生活をどの様にすべきか考え始める。主人が毎日自宅にいるという現実にどう対応すべきか。
妻は、夫に今までの生活のリズムを壊されたくないと思っている。夫が会社で働いている時間帯は妻にとって自分だけが独占できる時間帯である。夫に気兼ねや世話をする必要が無い。夫が自宅に居るとその自由が消える。
妻の生活のリズムを壊さない
朝出勤して夜自宅に帰ってくる生活のリズムをどの様に作り出すかが65歳の夫の命題である。理想は、今の会社でずっと働き続ける事なのだろうが、現実的に無理だ。働きたくても会社側は年齢で受け入れてくれない。残された選択は、自分で作り出すしかない事だ。朝9時から夜5時までの時間を外で費やすには、自分がやりたい事でその時間帯を埋めるしかない。
日中8時間を埋めるには?
自分がやりたい事をリストする。そのリストから毎日やれる項目を上手く構成して新しい生活のリズムを作り出す。こんな感じだ。
やりたい事リスト(私の事例:現在の生活のリズムになっている)
- カフェでインターネットビジネスをする
- 午前中は、CMSサイト構築の仕事やシステム保守の作業など。午後は、自社運営の集客メディアサイト作りで記事を書く。
- 月に3回、NPO団体の定例会に参加して違った世界を味わう
- 月に1回、ビジネスの勉強会に参加して情報のアップデートをする
- 週に2回、スポーツセンターのジムで筋トレを各2時間行う
- 週末の土日のどちらかを夫婦で一緒に遊ぶ日にする
- 春と秋に夫婦で旅行に出かける
14年かけてこんな生活のリズムを作り出した。歳を追う毎にちょっとづつこのリズムは変化して行く。最初からこんな感じにはなっていない。やりながら調整して行くしかない。基本、日中の時間は自宅を離れている。これで妻の生活のリズムを維持している。
妻に嫌われたら老後の生活はつまらない
老後は妻を自分の味方にしなければ不幸な老後を過ごす事になる!
亭主関白よりもかかあ天下の方が、夫婦仲は上手く続く。人間の「人」の漢字は、夫と妻がお互いに支えあって出来ている。それだから生涯の伴侶になる。会社を卒業したら、自分の都合よりも妻の都合を優先した生活を考えると妻を喜ばせる事が出来る。妻は夫よりも長生きをする。妻の助けなしで夫の生活が回らなくなる年齢が必ずやってくる。
お互いの人生を楽しむには、妻の生活のリズムを壊さないように自分の生活のリズムを作る事である。これさえできれば、妻に嫌われない。
自宅外で「好きな事」と「やりたい事」を見つける
好きな事を探す。やりたい事を探す。65歳以降の生活は、「好きな事」と「やりたい事」を明確にして新しい生活のリズムを作り出すことで家内安心が生まれる。もし、「好きな事」と「やりたい事」が見つからないならば、こんな事をやって見てはどうだろうか。
- スポーツジムに通って筋トレをする(筋トレは健康寿命を延ばす)
- アルバイトやパートタイムの仕事を見つける
- 料理教室に通う(食べたい料理を作れるようにする)
- ボランティア活動やNPOで自分の職歴を活かす
- 元気ならば季節労働者になって全国を回る(一人旅)
- 65歳の手習いを始める(スマホやパソコンなどの勉強)
こんな事をやって見たいと思ったら躊躇せずにすぐにやって見る。いつ死ぬか分からない。やりたいと思ったらすぐに実行して見る。そこから好きになる事が有る。
結論
妻は夫が会社勤めをしている間、自宅で自分の城を築いてきた。昼間の時間は夫を意識せずに自由な時間を過ごしている。そんな生活のリズムを狂わせるのは、夫が定年退職で自宅に居る時間が増えた時である。自分が自由に使っていた時間と居場所が夫に邪魔され始める。
そんな事情を夫が理解するのに時間はあまりかからない。妻が不機嫌になるからだ。妻は、今までの生活のリズムを維持したい。夫はその要望を満たすべく日中8時間を自宅外で過ごす工夫をする。老後の夫婦円満は今までの自分を陰で支えてきた妻を慰労することで可能になる。