60歳代、65歳代、70歳代以上での起業はそれぞれ違った意味を持つかもしれない。年金受給前のシニア起業と受給後のシニア起業では、経済的な安定の面で余裕がある、ないが出てくる。70歳代以降になると自分の健康との相談になる。
「シニア起業で年金支給70歳時代を生き抜く」という東洋経済オンラインサイトにある記事だ。起業の動機は様々だ。
社会と繋がりたい人でリスクが取れるかどうかだ!
生活費は年金で賄えるという人が起業する時、明確な動機付けがあるのであればやるべきだと私は思う。人生は一度しかないからだ。あの時やっておけば良かったと死ぬ前に後悔しないためにもやるべきだ。
問題は、生活費を稼ぐために起業する70歳代のシニアたちだ。一攫千金を狙うならば、やめた方が良い。若い人たちならば、失敗が次のビジネスチャンスで生きるがシニアには次の機会がやってこない。体力と気力が年齢と共に衰えるからだ。シニアの起業は、自分の健康との相談になる。
私は、51歳の時に会社を設立して起業した。61歳になった時に会社を意図的に清算して個人事業主でビジネスを継続している。会社形態で給与を受け取っていると今まで支払ってきた年金が満額受け取れないからだ。個人事業主であると年金が満額受け取れる。これは、シニアがビジネスをする上で大きな助けになる。
65歳から厚生年金と国民年金が支給される。この時点で金銭的に余裕がないシニアは、働かざるを得ない。雇用先が見つからなければ、自分で起業するしか選択はない。
国民年金だけでは生活が出来ない。国民年金プラス仕事で稼ぐだ。国民年金は月額6万円ぐらいだ。夫婦であれば、月額12万円。お金が足りないのは確かだ。あと、少なくても月額10万円以上は欲しい。体を使う仕事や起業は、先が見えている。体力が続かなくなったら終わりだ。
70歳代のシニアは、何らかの健康障害(持病の1つ、2つ)を持っているだろう。 視力と聴力、機敏性、そして、忍耐力が若い人たちと比べて衰えてくる。全ての70歳代シニアが現実の社会で起業できるとは思えない。起業できる分野も限られるだろう。
私の目で見て70歳代以降のシニアが起業するならば、職人のような専門分野を持っている高齢者だ。専門性は長年の経験と知識で養われる。誰かが直ぐに取って代われない。
自分のペースで専門性を活かすビジネス分野を見つけて起業する。売り上げ規模を追わないで自分の健康と相談しながら仕事をする。健康を害したら、仕事は止まる。それがお客さんに迷惑となって降りかかる。高齢者がビジネスを興す最大のリスクは、健康障害だ。老いから来る体力低下と老齢化。
自分が突然働けなくなってもお客さんに迷惑が行かないようなビジネスを最初から考えて起業すべきだろう。