2016年12月の時点で生活保護世帯の51%が高齢者世帯という厚生労働省の調査結果が出ている。そのうちの9割が単身高齢者だという。男性よりも女性の単身高齢者が多い。女性は年金が国民年金だけである場合が多い。月額64000円では、生活が出来ない。自然と生活保護対象候補になる。年配であればあるほど頼れる親近者も少なくなる。
少子高齢化で高齢者世帯が増加して行く。団塊世代の高齢者が100歳まで生きると生活保護者も増えて行く。これは誰が見ても予測できる。ライフラインの生活保護制度は、本当に今後も維持できるのだろうか。長生きが美徳な時代は、もう過去の美徳になってしまうのだろうか。
今、働いてお金が稼げるシニアは「アリとキリギリスの世界」のアリになって来るべき老後の世界で生き残る蓄えに備える必要がある。既に意識して老後の資金を蓄える動きがある。仕事を求めて第二の人生を積極的に歩みだしている高齢者たちだ。
生活保護世帯の高齢者の90%が単身高齢者であるという事実に驚く!
お金をいくら貯めれば安心だという目安はない。働いてお金を貯められる高齢者であれば幸せだ。高齢者にも個人差がある。誰もが安心して老後の生活を送れるという平等性は今の日本にはない。高齢者の老後の生活は、今までの自分の人生の結果である。自分の老後の生活を意識してお金を貯めて仕事を続けている老人であれば、経済的に何も心配しないのではないか。
今、40歳代、50歳代、そして、60歳代の人たちは、意識して自分たちの老後の生活を考えてその準備をする必要がある。その日暮しは、日本のライフラインの網から落ちる可能性が高くなる。
私が住む大規模集合マンションでは、住民の老齢化が進んでいる。管理組合や自治会の会合で顔を合わせれば、白髪姿の高齢者がほとんどだ。住民の入れ替わりはあるが、外で遊ぶ子供の数がすごく減っている。ほとんどの住民は定年退職に近づいている。
会社員の住民が多いからだ。会社での再雇用がある人は、65歳まで働ける。それ以降をどうするかはもう個人次第。老齢化するマンション住民の生活をより快適にするための活動がこれから管理組合や自治会で話されるだろう。大規模集合マンションでは隣に住んでいる住民と知り合う機会が本当に少ない。
何かがあったときに相互に助け合う関係が構築されていない。マンション住民による親睦会を増やしてお互いの顔、家族構成、ライフスタイルなどの情報を共有する必要がある。老人は弱者になる。グループホームではないが、困っている老人をお互いが助けある仕組みを作り上げないとマンション内での孤独死が増えて行く。
自分一人では生きて行けない。仲間がいれば、寄れば文殊の知恵が生まれる。老人は新しい友達を作るのが苦手な人が多い。しばらく一人生活をしていると知らない人に話しかけるという行為が簡単に出来なくなる。社交性がある人、ない人でその度合いが違うが、周りで気軽に会話ができる人を見つける事が出来ない老人が多い。
実は、64歳の私も進んで新しい友達を作れない。作れないというか、積極的に作ろうとしない。自分のライフスタイルが固定化してしまったのかもしれない。今は、一人で仕事をしているので仕事関係で人にあったり、会話をしたりすることがある。世の中の変化についていくために興味あるセミナーに参加したりしている。
知人はいてもプライベートな頼み事ができる間柄ではない。家内は私と正反対で親密な友達が大勢いる。女性は、地域に根を張り長年その根を育て広げている。男性とは違う。男性は定年退職時に顔を合わせる友人、知人、同僚が消える。
近くに親密な友人がいない高齢者女性は、精神的なストレスが溜まって老後の生活面で男性以上に苦しむのではないか。経済的な困窮がなければ、会話を楽しむ友達がいない精神的な苦痛に悩まされるだろう。単身高齢者で生活保護生活をしている女性は男性の2倍ぐらいだ。受け取れる年金額が低すぎるためだろう。
高齢の女性は、働けるだけ働ける職を今から見つけて社会の一員でいるほうが経済面と精神面で健全な生活を送れる。女性は男性と違って飲食サービス業で職を見つけやすい。ファミレスで働いている高齢者女性を多く見かける今日この頃だ。一方、高齢者男性はあまり見かけない。見かけるとしたら、建設現場で交通整理をしている老人だ。体力がないとできない仕事だ。