なぜ、老人は横断歩道の信号無視するのか?

出勤途中の交差点で信号待ちをしていた。横断歩道の信号の色はまだ赤色。10人ほどの人たちが信号の色が赤から青に変わるのを待っていた。道路には自動車が走っていなかった。突然、80歳ぐらいの老人が左右を見ないで前方だけを見て道を横切り始めた。周りの人たちは、動揺していた

老人が道路の中央までトコトコと歩き着いた時、信号機の色が赤から青に変わった。待っていた人たちが一斉に横断し始めた。私もその一人であった。

このような出来事は、今回が初めてではない。何度も目撃している。幸運にも私の目の前で老人が自動車に引かれるという事件には出くわしていない。何故、老人たちは、横断歩道の信号を見ないのだろうか。

前方しか見ない目!視覚と聴覚の衰えで交通ルールを守らない自分中心の判断

昼時の横浜駅地下街を歩いている老人たちが大勢いる。元気よく歩いているシニア、杖を突きながらゆっくりと歩いている老女、おじいさんがおばあさんを手で支えながら歩いている老夫婦など色々な老人が地下街を歩いている。歳を取ると体力の違いが歴然と体に出てくるのが分かる。

視野欠損と聴覚の衰えに加え歩行障害

80歳を越えた風貌の老人たちは、足と目、多分、耳の機能も落ちている。私達が人の行き交う場所を歩く時、前方や左右にいる歩行者を認識しながら衝突しないように注意して歩く。足の速度を調整しながら、体のバランスを変えながら、行き交う歩行者を避けて歩く。

高齢者の歩き方は違う。まず歩く速度が遅い。体のバランスを自由に整えるだけの筋力がないためにロボットのような歩き方をする。歩き方が硬い。目は前方しか見ていない。後ろから歩行者が抜き去ろうとしている足音も聞こえない。聴覚機能が衰えている。老人の目は、緑内障や白内障、その上、老眼で視野が狭まっている。

こんな体では周りの様子を目、耳で感知できない。足の力は弱く、体のバランスも取り難い。私の目から見ると目に入ってくる歩行者だけしか認識していない。老人は多かれ少なから動きが鈍い、硬い印象を与える。

横断歩道で信号無視で渡る老人は信号機が視野に入っていないのではないかと思っている。目の前に自動車が走っていなければ、大丈夫と思って歩き始める。本来ならば、横断歩道を見たら意識して信号機の色を見るのだがその意識もないようだ。道路を渡るときの危険性を忘れてしまったのか、自分の都合を優先してしまっているのか、どうも分からない。

歩道があるのに道路を歩く老人

自動車を運転しているといつも目に入る老人たちの歩き方がある。歩道が道路の右側にあるのに左側の道路端を歩いている老人を多く見かける。道路を歩くというのは危険であるという認識がまるでない。歩く人のための安全を考慮して歩道がある。老人は交通ルールなんか気にしないのだろうか。

自宅から駅に向かう道路には歩道がない。そのため、行き交う自動車を気にしながら歩いている。道路の脇に立っている電柱を避ける時は必ず前後から来る自動車があるかを注意している。歩道があれば、当然歩道を歩くのだがない道路は危険なので交通事故に合わないように注意する。それが当たり前と思っているのだが、老人の中にはそんな意識が全然ない人達がいる。

80歳過ぎの老人たちは横断歩道の信号機に慣れていないのだろうか。交通ルールの教育を受けていないためなのだろうか。道路での事故は老人が多い。自動車を運転している75歳以上のシニアが道路を渡っている同年代のシニアを交通事故で死なす事件が増えている。交通事故から自分を守るという意識が薄れているシニアは招かざる交通事故に合う。