横浜でも東京でも老人を見ると元気で動き回っている高齢者と杖をついてゆっくりとゆらゆらしながら歩いている老人を見かける。80歳代のシニアの歩く機能は個人差がありすぎる。なぜ、あの老人は足が自由に動かせないのか。なぜ、あのシニアはあんなに元気に走れるのか。
60歳代までは脚力が衰えたと感じることは少ない。70歳を過ぎる頃から年金生活になり日常生活習慣が変わる。体を活発に動かす生活から遠ざかる。自宅周辺が活動範囲になり、足を積極的に使うことが少なくなる。体を積極的に使わなくなると筋肉は自然とその環境に合わせ始める。その影響が足の筋力に現れる。
70歳を過ぎたシニアに10キロを歩けるかと尋ねたら、ちょっと休まないと難しいと言ってきた。毎日10キロぐらい営業職で働いていた人も年金生活で足を使う生活から離れると10キロを歩けなくなる。日頃から足を積極的に使う生活を意識しないと老いて来るに従って体力と足の筋力が想像以上に衰えていく。
足の衰えを感じる前に足を鍛える運動習慣を身につける必要がある。
自分の足で動けるシニア、歩けないシニアには生活面で違いがある!
旅行で地方に旅をすると農家の人たちに出会う。多くは80歳代以上の方々である。毎日外で田畑を耕している。足腰が丈夫である。歩く事で不自由をしていない。働いているから当たり前である。農家が田畑を耕せなくなったら、生活が成り立たない。毎日体を動かして野菜やお米を作っている。
都会でも地方でも杖や車椅子で肉体労働の仕事をしている人はいない。皆、自分の足で動き回って仕事をしている。その意味で自由に動ける脚力は人間にとって本当に重要である。その脚力を失うと普通の生活ができなくなる。普通の生活ができない老後は悲惨である。誰かに頼らないと今まで出来たことが出来なくなる。
自分の足で自由に動けるシニア
大都会で生活をしている80歳代のシニアには脚力で個人差がある。一般的に現役で仕事をしているシニアは歩く事で障害がない。歩けないと仕事が出来なくなるからだ。現役を引退して自宅で好きな事をしているシニアほどなぜか、足に障害を受けている場合が多い。
足を毎日使っているシニアとそうでないシニアでは、高齢化した時に相当の個人差が足の動きに現われる。自営業、または、経営者で毎日外で仕事をしている80歳代のシニアは元気である。外に出ていくためには足を使うからである。
農業、林業、酪農、漁業など体力を要求する仕事を長年従事している人は知らないうちに筋力が身につく。自然相手の仕事は毎日体を使う。会社員と違って定年で仕事を辞めるということが難しい。老いても体を使い続ける。体は自然とそんな労働環境に適応する。足は自由に歩ける足を維持する。
定年で会社員生活を終えたシニアが歩行障害を予防するには足を積極的に使う生活習慣を身につける必要がある。毎日1万歩を歩くウォーキング運動や散歩をする習慣が必要になる。一番簡単な方法はアルバイトやパートの仕事をすることである。自然に体を積極的に使う生活になる。
歩行障害で歩けなくなるシニア
あまり足を使わない日常生活をズッと続けているシニアは80歳になる前に歩く筋肉が衰えて杖を使わないと外出が出来なくなる。歩行障害は老化による生活習慣病の1つである。働いているシニアは自然に足を使う生活習慣がある。仕事をやめて自宅で過ごす時間が多いシニアは足の筋肉を維持するのに必要な活動がない。
筋肉は正直者である。生活環境にあった筋肉量に体を適応させる。足をあまり使わない生活習慣があるとその生活にあった足の筋肉量に調整する。この事実を認識していないシニアはあとで歩行障害を味わって焦る。足を意識的に使う運動をして筋肉量を維持していれば歩行障害を防げた。
私は今年68歳になる。毎日仕事で6キログラムのリュックを背負って仕事に出かける。自宅から最寄りの駅まで1.7キロメートルを歩く。自宅は横浜なので丘の上にある。帰りは丘を登らねばならない。足の力は毎日の外出で自然に鍛えられている。それにリュックの重さ6キログラムの負荷を加えているので脚力は自然と強くなる。
リュックの重さは必要だからそうなっている。リュックには2キログラムのパソコンが入っている。残りの4キログラムは非常食の缶詰、書類、通信機器などで成り立っている。出来れば、もっと軽くしたいのだが体が耐えられるのでそのままにしている。
毎日、仕事で外出する生活があるならば自然と足は鍛えられる。足を積極的に使う生活習慣を身につけるだけで将来に起きる歩行障害で悩むことはなくなる。
老いて歩行障害が起きる前に脚力を鍛える生活習慣を作る
仕事をしていないシニア、遣りたくないシニアはどうするのか。足を使う生活習慣を身につけるには毎日外出することである。外出時には必ずスマホに万歩計アプリを入れて歩数をカウントさせ距離を測らせる。日中8時間を歩き続けることは出来ないので外出する目的を決めておく。
午前中はここに行く。午後はあちらに行く。私はカフェを仕事場として使っている。午前中はスターバックス、午後はタリーズコーヒーでインターネットの仕事をしている。行く場所が決まると自然と足は動く。外出する目的と目的地で何をするかを明確にすれば、足を使う生活習慣は自然と身につけられる。
私は階段がある場所をよく観察する。駅のホームにある階段は見ていて面白い。エスカレーターを使うために長い列が生まれる。エスカレーターの横には階段があるのだが、階段を使う人が一握りしかいない。エスカレーターを使う人達の中に多くのシニアがいる。健康意識が強いシニアは意識して階段を上がっていく。
すでに何らかの障害で階段を使えないシニアがいることも確かである。膝が痛いとか、目が悪いとか、脚力が弱いとか。ただ、体力があるシニアがエスカレーターを使うのは将来脚力を失うという事実に気がついていないためではないか。
結論
80歳を過ぎても自由に自分の足で動き回れるシニアは、意識して足を使う生活習慣を持っている。それが仕事であったり、趣味のスポーツであったり、ボランティアであったりする。毎日活発に自分の足を使う生活があれば、足の筋肉はそのニーズを満たしてくれる。
老後の生活に楽を求めるシニアは自分の体を動かさなくなる。自宅の周辺で生活することが多くなる。これが続くと体全体の筋肉が衰えてくる。その現象が脚力の低下に出てくる。歩ける、歩けないの違いは、老人の生活習慣に起因する。