私はサイエンスフィクションが好きである。この本もSFかと思ったが、そうではなかった。小学生、中学生の頃に10年後の自分宛てに手紙を書いて校庭の何処かにタイムカプセルとして埋めた経験がないだろうか。この本はその手紙を10年後に届けるサービスをする会社の出来事を描いている。
読み進んで行くうちに何故か涙が出始める。目の潤いをなくした私にとって恵みの涙になった。老いて来ると感動で涙が出ることがほとんど無い。お涙頂戴という機会が少なくなった。そんなシニアは私だけではないと思う。暇な老後を感動することなしに過ごしている方は是非この本を読んでもらいたい。
暇な時間が有意義に使われることは確かである。
感動する本をたくさん読むと目の潤いが戻ってくる。心の乾きも涙の潤いで癒やされてくる。私の読書習慣は本を無性に読みたくなる時期と何も読まない時期が交互にやってくる。読みたくなると一人の作家の本を立て続けに読み出す。もう、次に読む同じ作家の本を図書館で予約している。
一度感動で涙が出てくるともう一度感動したいと思うのは自然だ。