普通の体で普通の生活ができている年齢に稼いだお金、貯めたお金、年金を使うのが一番意味があり、価値がある。
多額のお金を使うタイミングを逸するとお金を使って余生を楽しむ事が出来なくなる。若者に、お金には賞味期限があると話しても理解できないと同じで老人もそのことをあまり考えていない。お金を貯めればそれで何とかなると思っている人が多い。お金は使わなければお金を持つ意味がない。
自宅で普通の生活ができている年齢のうちに余生を楽しむ事にお金を使ったほうが一番良い。お金は、使われるためにある。使わないお金(貯蓄されているお金)は、持っていても意味をなさない。
老後のためにお金を貯めている、稼いでいるというシニアは、お好みの老人ホームを探してどれぐらいの費用が必要なのかを調べるべきである。その費用を払える金融資産があれば、それを銀行口座に入れていったん凍結する。あとは、余ったお金で好きな事にお金を使い倒す。
これは極端な例であるが、お金を使っても楽しめない体や年齢(75歳以降の後期高齢者)になったら手元にあるお金は使うタイミングを失う。
老人ホームの世話になる年齢を出来るだけ遅らせる
自分で自由にお金を使うようにするには、老人ホームで発生する費用を予算化することだ。75歳から80歳の間に老人ホームでの生活を送ると決めて100歳まで生きるという前提で発生する費用を見極める。お金が足りなければ、老人ホームに入る年齢を遅らせる。
遅らせるためには、足の筋力を衰えさせない事だ。自分で歩けなくなった時点で老人ホーム行きになることを覚悟する。老人ホームでの生活をしたくなければ、(1)足の筋力を維持して自由に歩ける体にする、(2)お金を稼ぐ活動(アルバイトなど)を続ける。この2つの事をする事で普通の生活を維持できるようになる。
老人ホームに入居する前までの年齢:お金を使って楽しめる
老人ホームにお世話になる年齢が遅くなればなるほど老人ホームの費用負担は少なくなる。体が健康な老人ほど、この恩恵を受ける事になる。同時に、お金を使う時間が増え、使う楽しみも増える。元気な老人ほど、お金を好きに使える。
義母が89歳である。89歳の老人(要介護1レベル)が有料介護付き老人ホームに100歳までお世話になると場所や施設にもよるが私が調べた神奈川県の老人ホームでは、4000万円ぐらいあれば大丈夫なようだ。金融資産が4000万円以上あるならば、残りのお金を自分の思いのまま使える。
義母は、既に時遅くお金を使う機会を失っている。有るお金はすべてこれから入る予定の有料介護付き老人ホームの費用に充てられる。お金を貯めるだけでお金を使って余生を楽しむ事ができなかった。義父96歳はすでに介護付き老人ホームに入居している。貯めたお金は老人ホームの費用になっている。
老人ホームに入居する前の義父は、お金を自由自在に使っていた。でも、使う用途が限られた。好きなお酒や子供や孫たちへのお駄賃ぐらいだ。96歳の老人であるため、若者や私たち60歳代のシニアがお金を使う用途ではない。人生を楽しむというよりも機能が低下した聴力を支援する補聴器にお金を使うのが一番高い買い物になる。
お金が沢山ある老人夫婦は、自立型老人ホームに入ってから横滑りで介護付き老人ホームに移れる施設に入る。資産が沢山ある老人はそんな事が出来る。こうなれば、お金を如何に使えば楽しい余生が過ごせるかを考えるだけ。子供家族への負担もない。私のように貧乏人の家庭は、普通の生活ができる体を維持するしか方法がない。
貧乏なシニアはどうすれば良いのか?
お金を稼げる体を出来るだけ長く持つことで老人ホームの費用負担と子供家族への負担を軽減できるようになる。お金で健康は買えないので自分で意識して体を鍛えて健康に気を使うしかない。
老人ホームでの生活は、入居した本人しか分からない。行動面で制約がどうしてもある。共同生活であるので我儘な生活は出来ない。出来るのは自室の中だけだ。私の世代が老人ホームのお世話になる頃は、老人ホームに入居できないほど老人が増えている時代だろう。
老人ホームに入居できないという前提で自分たちの余生を準備する必要がある。20年先では介護ロボットが生まれてきて家庭に導入される時代になる。自宅で介護ロボットと共存する生活を夢見るしかない。自分の足で普通の生活ができれば、介護されることを心配する必要がなくなる。
面倒な事(炊事、洗濯、掃除、買い物など)は全て生活支援ロボットに任せられる。私が83歳になる20年後にそんな世界が生まれていることを願うのみだ。
結論
- お金は年齢が若いうち、元気なうちに使うのが一番良い。75歳を過ぎてからではお金を使って楽しめる事が少なくなる。
- 何歳から老人ホームのお世話になるかで貯めて置く金融資産の額が変わる。老人ホームのお世話になるお金を少なくするには、足を鍛えて普通の生活が出来る体を維持することだ。これしかない!
- 20年後に介護ロボットや生活支援ロボットが家庭に導入され始めれば、老人ホームに入る必要もなくなるかも。