なぜ、介護破産になるのか?

世間のニュースで介護破産の話がよく出る。最初そのニュースを聞いた時には、何故、そのようになる理由がわからなかった。介護保険やサービスについて関心がなく情報もなかったからだ。実際に家内の母親が介護保険や介護サービスを使い始めるとその理由が肌でわかった。お金がないと介護破産がすぐに発生する。

介護の程度によって介護破産になる時間的余裕が違う。要介護のレベルによって介護保険の補助支給額が違ってくるからだ。義母の要介護レベルが1ヶ月後に決まる。今は、暫定的に要介護3でケアプランが作成された。そのケアプランで発生する自己負担額を見てびっくり!

介護ヘルパーの費用負担が非常に大きい!

義母は、背骨2ヶ所が圧縮骨折で身動きができないため介護ベッド生活を送っている。一人で立ち上がって歩くことも出来ないため介護ヘルパーの介助が必須な状態だ。そのため、1日朝昼晩3回介護ヘルパーの介助をお願いしている。初めての介護生活であるため、非日常の生活を強いられている。

来年の正月まで家内の両親が住む家で常駐して介護をする予定だ。それ以降は、常駐しないで横浜から東京まで訪問介護を週1、2回行う事になる。老夫婦とヘルパーだけで生活を続けるのだが、お父さんは90歳で高齢であるため介護できることが限られている。そのため、どうしても1日朝昼晩3回の介護ヘルパーは必須になる。

介護サービスは、月単位でのサービスになるので義母の様態を見ながら介護サービスの内容を変えていくことが出来る。一人で出来ることが多くなれば、一人で歩くことが出来るようになれば、介護ヘルパーのサービスの回数や時間は減らせる。来年の1月の暫定ケアプランは、1日3回介護ヘルパーサービス、週1回のリハビリサービス、24時間監視介護サービスで成り立っている。24時間監視介護サービスが本当に必要かどうかは1ヶ月様子を見て継続する、しないを判断できる。費用的にも安価であるが。

足のリハビリは、現在週1回であるが回数を増やして早く歩けるようにしたいと思っている。週1回のリハビリはあまり効果が出ないので最低でも週2回は必要であると思っている。ある程度、自分でリハビリをベッドの上でやれるようになればリハビリの回数を少なく出来る。それまでは、1週間で複数回リハビリサービスを受けたほうが結果的には良いと考えている。

介護破産は、要介護レベルによって保険補助金額が変わるのでレベルの程度と手持ち資金の具合で早まったり時間に余裕が生まれたりする。義母のケースでは、要介護3の保険補助金額でカバーできる介護ヘルパーサービスは1日に1回程度である。そのため、残りの2回分は全額自己負担になる。その金額が、月額29万円ぐらいだ。この金額に1割負担のサービス料金を加えると自己負担金額が月額35万円ぐらいになる。

月額35万円という金額は、普通の家庭では到底受けられない金額である。だから、私はびっくりした。介護ヘルパーの費用がこんなに重いとは予想もしていなかった。

もし、要介護4と認定されれば、多少の費用負担の軽減があるがそれでも負担額は大きい。この金額を1年間支払続けなければならないような介護ならば、時間の問題で手持ち資金は尽きる。この時点で介護破産が現実のものになる。

義母の場合は、認知症ではなく背骨の骨折による介護ベッド生活の為、足のリハビリと骨折治療が進めば時間の問題で介護ヘルパーサービスを介護保険補助金額以内に抑えられる。それまでどのくらいの月数がかかるかだ。

認知症での介護ベッド生活の患者は、回復の兆しはないので介護の個人負担はずっと続くだろう。自己負担額が大きい場合は、介護サービスの内容を減らす必要があり、減らされたサービスは、家族が行うことになる。これが介護負担として重く家族にのしかかる。

介護破産は、介護で回復が難しい認知症患者で多く発生するのではと思う。その意味で認知症の患者を抱える家族は患者が亡くなるまで介護の苦しみから逃れられない。手持ち資金がない家族ほど介護破産が現実の問題として迫ってくる。貧乏人は、介護破産になりやすい。