老人を狙う出版詐欺師とは?

ブログを書いていると突然電話やメールがやって来る。今日メールがあったのは、出版プロデューサーと名乗る若い人だった。私が書くブログが出版に値するから一度会ってくれというメールの内容であった。こんな話はブログではなくても巷に溢れている。特に、シニアはターゲット対象に成り、自分史を書きませんかとなる。

出版プロデューサーというビジネスは、出版後の保証がない。原稿の編集作業だけでお金を取るビジネスである。または、前払いでお金を頂いた後にドロンパッパと消えていく詐欺ビジネスでもある。 

見知らぬ人や会社から出版しませんかと誘いがあったら詐欺と思え!

65歳を過ぎて毎日が日曜日の高齢者は、自分の人生を振り返る時間がある。それを自分史という形で自分の人生を書く老人も多い。自分の家族や親戚、そして、知人などに他界したあと残しておきたい「私の人生」なのかもしれない。

出版業界は、電子化に押されて市場が縮小して行っている。毎年毎年雑誌が廃刊に成っている。新聞を読む人口も急激に減少して行っている。本の読み方も変わって来ている。数千円を支払って紙の書籍を買って読むよりも電子書籍を数百円で買ってKindleタブレットやスマホで読む若い人が急増してきている。

今の時代は、紙で商売をしてきた出版ビジネスを危うくしている。アマゾンで自分が書いた小説やハウツーものを電子出版が出来る。出版する事はライターとアマゾンだけで成り立つ仕組みが出来上がっている。出版社の入る口がない。電子出版であれば、出版プロデューサーの支援や力もいらない。出版は簡単に出来る時代に成っている

高齢者はそんな時代の流れを知らない。一生に一度は著者になってみたいという願望もあるだろう。自分史ならば著者になれると思い込む。そんな願望に忍び寄る出版プロデューサービジネスがシニアたちを狙っている。この詐欺ビジネスは、もう、10年以上前から始まっているのだが、未だに続けている詐欺師が多い。 と言うことは、まだ、儲けられるということなのだろう。騙されるシニアが多いということだ。

彼らにとって出版する原稿内容なんてどうでも良いのである。先にお金を頂くための契約書を交わせば良いのだ。それでお金が支払われれば、仕事が完了する。出版なんてことはやらない。お金と一緒に消えるだけだ。昔は、法人企業が自己出版をしませんかと新聞広告をしていた。 

今は、法人企業ではなく個人が出版プロデューサーと名乗って個別にシニアをターゲットにして詐欺ビジネスをするのだ。身元なんかは嘘で固められている。わざわざ、お客のシニアが探偵に裏を調べさせないので足がつかない。 

出版プロデューサーと名乗る人物が突然現れたら、99.9999%詐欺師と思うべきだろう。もし、インターネットでブログでも書いていれば、それを材料にして出版詐欺をやりはじめる。おれおれ詐欺と同様に若者がシニアを餌にしているのだ。 私は、インターネットに詳しいし、周りで名の知れた出版社から書籍を出版している知人や友人がいるから状況をよく分かっている。

売れない書籍が溢れている。情報は書籍だけでなくインターネットのホームページにもある。情報は特別に紙にする必要もなくなった。人工知能が本や新聞記事を書く時代だ。出版という作業自体が自動化に近くなって来ている。簡単な出版ならば、写真とその説明だけで出来てしまう。

自己出版をすることで数百万円も支払った人がいる。仮に、騙されなくても出来上がった本を配る先が少ないため自宅に積んどかれるのが現実だ。 

出版詐欺にくれぐれも騙されないように! シニアがターゲットに成っているということを認識すべきだ。

自分史を本にしても自分の人生を読んでくれる人は自分しかいない。他人や家族はそれほどその人の人生について興味を持っていないのが現実である。自分史の本を作るのは、自己満足でしかないと私は思っている。