65歳のシニアは起業、再就職のどちらを選ぶべきか?

仕事をしない老後の生活設計が出来ている65歳のシニアならば、起業、再就職のどちらを選択しても心配する必要はない。仕事をしない老後の生活は、日中の時間の使い方が問題になる。

暇な時間を如何にして楽しめる時間に変えるかである。

仕事をしていれば、そんな事を心配する必要はない。多くの65歳シニアは、今までの生活ルーチンを変えない再就職を求める。または、起業を検討する。再就職先は簡単には見つからない。簡単に見つけられるのは、アルバイトやパートの仕事である。

アルバイトやパートの仕事も70歳を過ぎると年齢制限が出てくる。シニア向けの仕事は、3K(きつい、汚い、危険)の仕事が多くなる。それが嫌で起業に挑戦するシニアもいる。

起業、再就職のどちらを選ぶにしても10年先の75歳の生活をどうするかをイメージしておくと良い。10年先の自分の生活はどんなライフスタイルになっているかをイメージできれば、それを達成するための準備が今から出来る。

10年先の人生を考える

10年先は75歳になる。自営業である私は、仕事を続けている。自分の得意と専門的な知識と経験で知的生産の仕事を続けていると思う。肉体労働の仕事は70歳になる前までに終了させる。そんなアイデアがいつも頭の中にある。

65歳と75歳では、体の老化で生活の制約が生まれてくる。やりたいことも出来なくなる。制約の中でも楽しめる仕事を続けられれば、老後の生活は充実する。週3日の仕事で残りの日々を好きなことに費やす。私の75歳の生活のリズムは、そんな形を望んでいる。

再就職の壁と70歳以降の展望

60歳と65歳では、再就職先を探す上で難易度が違う。65歳は前期高齢者として「お仕事、ご苦労さまの年齢」と社会は見る。60歳と65歳のシニアでは60歳のシニアが先に仕事を得やすい。年齢による差別は露骨に募集される仕事に出てくる。

そんな現実をただの噂として受け取っていると落胆することになる。再就職の仕事は、誰もが嫌がる最底辺の仕事になる。汚い、きつい、危険が伴う仕事が待っている。65歳シニアの目先は、アルバイトやパートの仕事に向かわざるを得ない。

アルバイトやパートの仕事で楽しめればそれが最適であるのだが、70歳を過ぎると大きな年齢制限がやってくる。70歳を過ぎても働き続けられるアルバイトやパートの仕事を最初から探さないとまた仕事探しが始まる。

高齢労働者は、社会の片隅に追いやられる。どんなに輝かしい学歴と職歴があっても他人の飯で生きていこうとすると無理が出る。雇用する側の経営者は、こんな疑問を持つ。輝かしい学歴と職歴があるならば、なぜ、自分でビジネスを始めないのかと!

70歳以降も仕事をしたいならば、雇用される仕事を探すよりも自分が作る仕事で老後設計をしたほうが楽である。好きな仕事で起業すれば、いつまでも仕事が続けられ、お金が稼げる可能性が生まれる。他人に雇用されるシニアの仕事には先がない。

シニアの起業目的

シニアが起業する理由には、こんな動機がある。

(1)やりたい事でビジネスを作りたい

(2)雇用してくれる会社がないので自分で稼ぐしかない

(3)単純にお金が欲しい

(4)自分の知識や経験を社会で試してみたい

(5)経営者になってみたい

(6)目の前にあるビジネスチャンスを掴みたい

私の起業理由は、(6)目の前にビジネスチャンスがあり、今やらないと誰かに取られてしまうという理由がメインでその他に(5)経営者になって自分が描いているワークスタイルを実現したい。この二つであった。51歳の時に起業をした。神様に背中をポンと押されて!

気力、情熱、そして、体力

51歳の時に起業して14年が経過した今、自分の余生を考えると14年前に始めたビジネスチャンスは消えて無くなろうとしているのが予測できる。起業当時は、ブルーオーシャン市場を自分一人で熱く開拓していた。情熱が体全体から熱となって湯気を出していた。

 51歳と65歳の体力と気力で違いが生じている。

ブルーオーシャン市場が競争が激しいレッドオーシャン市場に変化した。体力は加齢で落ちてきた。情熱も気力も現実を体験しながら陽炎のように消えつつある。14年という時の経過は、ビジネス環境と老化という体の変化を伴う。これからの人生設計を見直すポイントに来ている。

ビジネスを始めるには、気力、情熱、そして、体力という推進力がないとジャンプできない。

51歳の時は、まだ、若さという推進力で何とかなった。65歳の今、10年先の75歳になった時にどの様なビジネスとワークスタイルを送っているかを描く必要がある。ビジネスの目的も変わってくる。

65歳の私が目指し始めたワークスタイルは、体力が落ちても続けられるビジネスである。老化は誰にでもやってくる。体力は年齢とともに落ちてくる。体力が落ち始めると気力もj情熱も落ちてくる。昔のように熱い情熱と若さだけで走れなくなる。

定年退職者が起業する時は、気力と健康を維持しながら体力が落ちた時でもビジネスが成り立つ仕組みを考える事である。65歳で起業しても70歳になる頃に体力の限界を感じ始める。死について意識し始める年齢が70歳代になる。無理して仕事やお金を追う必要があるのかと疑問を感じ始める。

お金を稼ぎながら人生を楽しむ準備

余生を楽しませてくれる、充実させてくれる、継続性のある仕事を最初から考えて始めるべきではないか。

65歳以上のシニアが起業して大きな会社に成長させる目標は、求め過ぎ。途中で健康を害して他界するリスクが高いからだ。70歳頃から健康障害が体に出始める。運命と老化は誰も避ける事が出来ない。

会社員時代に夢見たことを実現したいというシニアは、その夢を追求するのが一番良い。失敗しても自分の人生に後悔を残さない。自分を掻き立てる強い動機付けがあれば、体力が落ちても頑張りが効く。自分が生きて居られる時間は、65歳を過ぎれば短いことぐらい誰でもが感じる。

シニアの起業は、余生を楽しませてくれるビジネスで「わが人生に後悔はない!」と言える仕事で始めるべきである。

老後の生活費を稼ぐにしても、何か人生を楽しめることをやりながら仕事をしたい。それがないとつまらない老後になる。今から自分の人生を楽しませる物を探して準備する。

結論

65歳で会社を卒業するシニアは、10年先の75歳になったときにどのような生活を送りたいかをまず考えるべきである。単純に再就職先を探したり、起業を検討したりするのではなく老後の生活をどの様に楽しみたいかの視点で物事を計画すべきである。

70歳を過ぎると確実に老化が表面化する。健康障害が置き、筋力は衰え、活発に活動をしなくなる。体力の低下がお金を稼ぐ活動の足を引っ張り始める。仕事をする考え方も楽しみながら自分のペースで仕事をしたいと思い始める。

仕事を70歳過ぎにやめれば、暇という問題が新たに生まれる。仕事に変わる日中の時間の使い方を事前に用意する必要がある。何をやれば良いか迷い始めると自宅にこもり、活動が縮小し、認知症予備軍になる。

老後の人生を楽しむ計画を事前に用意しておけば、それに余暇を費やせる。その準備を65歳からすべきである。年金受給が始まり、経済的に多少余裕が生まれる。心の余裕を味方につける。