60歳と70歳代の生活に違いが生まれる、どんな事が起きるのか?

60歳代の私は70歳代の高齢者のライフスタイルに興味がある。60歳代は見かけも体力も気力もまだ若い。仕事があれば普通に働ける。それだけのエネルギーを持っている。70歳の声を聞くと風貌も動作も顔色も若さを感じられなくなる感じがする。

平均年齢72歳のNPO団体で見かける高齢者たちからそんな印象を持つ。定例会が毎月会議室を借りて行っているのだが、ビルの8階にある。 誰一人として階段で上がって行こうとしない。また、階段を下りて行こうともしない。一台しかないエレベーターに並んで1階まで下りて行く。

明らかに足の筋力と体力に問題を抱えている。70歳代になると体を動かすのが不自由になるのではと思わざるを得ない。70歳代の体は普通の人であれば、体力が激減するというか、知らないうちに体の筋肉が減少して足に悪影響を及ぼす。

体を鍛えるシニア

足が不自由になると老後の生活が一変する。動物は歩けなくなると死を迎える。餌を取ることができなくなり、餓死する。人間は肉体的に精神的に苦しむ。それ故、私の年代のシニアは足や体を鍛える筋トレを始めている。

10年と言う年齢差で「老人」というラベルが張られる!

60歳代と70歳代では風貌で違いが出てくる。体全体から放出されるエネルギーレベルや動作にもその違いが歴然と出てくる。70歳代の人は動作がゆっくりしている。その動作で毎日の生活が営まれている。

目に見える違い

老いてくると1日の生活でやれることが少なくなっていく。以前出来た事が出来なくなるためやらなく成る。足腰が弱くなることで力を要求する作業を止めてしまう。例えば、草むしり、念入りな部屋掃除、お風呂掃除など。

70歳代の高齢者は仕事から離れる人が多い。特に自営業のシニアは引退を考え始める。人生でやり残したことをやり始める。身の回りを整理していつ他界しても良いように準備する年齢でもある。経済的に働かざるを得ない70歳代のシニアは出来るだけ楽な仕事を探し始める。肉体作業から事務作業の仕事を探す。

70歳代のシニアは風貌から老人と言われても否定はできない。老いは体の至る部位に出てきているからだ。持病で病院通いが始まる人もいる。70歳になれば持病が一つ、二つあっても不思議ではない。免疫力の低下からくる健康疾患が多くなる。

70歳代に元気よく旅行に行かれるシニアは幸せである。足を弱くしたシニアは遠出や旅行が難しくなる。まさに老人を字で行く感じになる。趣味があれば毎日趣味に没頭する生活になる。趣味がなければどんな生活になるのだろうか?わからない。

足が弱くなると悪循環が始まる

足が弱くなると移動の自由がなくなり、活動範囲が狭まる。体の筋肉の量は普通の生活をしていると年に1%づつ失われて行く。その兆候が体に現れる年齢が70歳代である。体の中で一番大きい筋肉がある場所が足である。その足の筋力が失われるということは体の筋肉も同様に失われて行っているということである。

一つこんなテストをやってもらいたい。あぐら座りをして、状態を前に倒しながら足の力だけで立ち上がってもらいたい。60歳代、70歳代の殆どが足の力だけで立ち上がることが出来ない。若者たちは立ち上がれる。

今度は試しに「腕立て伏せ」をやってみてもらいたい。3回以上連続してできれば、上半身の筋肉は年相応である。多くのシニアは1回出来るか、出来ないかの筋力しか残っていない。老人と言われるシニアは自分の体を自由に動かす筋力を失い始めている。

足が弱くなると悪循環がこんな感じで始まる。

足が弱くなる・・・>毎日の散歩の距離が短くなる

・・・>足を使って外出する回数が減る

・・・>活動範囲が自宅周辺になる

・・・>腰を下ろして行う作業を敬遠し始める

・・・>座ったり、立ち上がったりする動作が簡単に出来なくなる

・・・>つまずいた時に体のバランスを脚力を使って上手く取れなくなり倒れる

・・・>外出時に杖を使うようになる

・・・>食料買い出しが遠いスーパーから近くのコンビニに変わる

・・・>お風呂に入らないでシャワーになる(お風呂から出られなくなる危険性を案じる)

・・・>重い物を取り扱う作業をやらなくなる(洗濯と物干し、掃除機での部屋掃除、庭の草取りなど)

・・・>普通の生活が不自由に感じ始める

・・・>家族の支援で生活を維持することになる

・・・>家族の負担が増し、老健施設に入居して足のリハビリをする

・・・>老健施設から有料老人ホームに移り住む(多くの老人はリハビリで回復しない)

・・・>老人ホームが終の棲家になり他界する

対策は今から足や体の筋肉を鍛える運動習慣を身に付けること

70歳から80歳になる間が大きな体調変化が起きやすい。免疫力と体力の急激な衰えが起きやすい。これを防ぐには毎日の散歩だけでは足りない。体の筋肉を十分刺激して普通以上の負荷を筋肉に掛ける必要がある。その方法としてスポーツジムで筋トレを始めることである。

ボディービルダーのような筋トレではなく、自重を使う筋トレになる。最終的に自分の体重で身軽に動ける筋力と体力を身につければ良いのである。一人で筋トレを習慣化できれば良いが、運動習慣がないシニアには難しい。一緒になって運動習慣を身に付けさせてくれるサポーターが必要である。スポーツジムにはそれを助ける専門スタッフがいる。スポーツジムの会員になって自重による筋トレ習慣を始めることである。

筋トレを始める上で重要なこと

  1. 無理をしないで筋トレを続けること
  2. タンパク質の多い食事を毎日する
  3. 体調不良になったら十分休む
  4. 十分な水分補充と睡眠を取る
  5. 毎日鏡に映った裸の体を見て変化を探す(体に変化が起きるのは最低3ヶ月から半年の期間が必要)

70歳代は健康と体力が衰えるのが激しい

持病が増えて自宅で生活をする時間が増える。鏡に映った自分の裸体を眺めてみれば、自分の体が老人の体になりつつあるのを自覚できる。体と脳は使わないと活性化しない。筋肉量と活動量の減少で新陳代謝も低下する。新陳代謝は生命エネルギーそのものである。体の細胞を生み変えることで体を維持している。

基礎代謝量の低下は体の筋肉量の低下から来ている。筋肉量を増やせば、基礎代謝量も増加する。それは生命エネルギーのパワーを増加させることを意味する。

粗食、運動不足、活動の低下などは70歳代のシニアが多く経験する。つまり、この逆の行動をすれば健康寿命が伸びる。60歳代は70歳代と比較して社会活動に従事しているシニアが多い。活発に活動する機会があり、体の不自由を感じていないシニアがほとんどである。

結論

60歳と70歳代の違いは健康と体力の違いで普通の生活で不自由を感じ始めることである。老化で免疫力が低下し健康障害になりやすい。体の筋肉量の低下で日常生活で使う筋力が十分機能しなくなる。普通の生活で不自由な身体感覚を覚え始める。特に脚力の低下は生活の質を落とす。Quality of Lifeを維持するために体の筋力を維持する運動習慣とバランスの取れた食事習慣が求められる。