老人が住む住居ならばコンビニが近くにある場所だ!

2017年度のセブン-イレブン店舗に訪れるお客の46%近くが50歳以上の高齢者だ。来客の年齢階層別構成比(セブン-イレブン)参照。コンビニは、高齢者の雑貨店になっている。生活で必要な物の殆どがコンビニで売られているからだ。

私の義父は、92歳で一人生活をしている。数年前までは、まだ、足で遠くに歩ける脚力があったのだが今は50メートル歩いて一休みの調子だ。近くのスーパーマーケットが線路を渡った場所にある。今は、その踏切を渡りきれないのでスーパーで買物が出来ない。

幸運にも自宅から歩いて50メートルの場所にファミリーマートがある。今は、このファミリーマートで日常生活で必要な食材を買っている。自分の足で自由に歩けない老人の生活は、コンビニが近くにあるか、ないかで利便性が相当違うのが分かる。

昔は個人の雑貨商店、今はコンビニ店!何が変わったのだろうか?

私の実家は、子供の頃、個人の雑貨商店を営んでいた。生活に必要な雑貨を何でも売っていた。周りの住民たちの憩いの場でもあった。いつも、女性客のおしゃべりで賑わい、井戸端会議が始まる。そんな記憶が残っている。

現在は、大手チェーンが運営するコンビニが雑貨商店に取って代わった。日常生活で必要になる商品やサービスを提供している。昔と違うのは、住民が集まる憩いの場になっていないことだ。高齢者のお客が増えるにしたがって店内レイアウトを変更して「シニアの憩いの場」が作られて行くだろう。そんな動きが既に始まっている。

コンビニは、地域の住民のニーズを素早く吸い上げている。義父が利用しているファミリマート店は、契約している農家から野菜、果物、旬な食べ物を店の前に棚を作って並べている。価格的にスーパーよりも安く、鮮度が高い。義父は、茨木産のマスクメロンを良く買っている。

コンビニ周辺に住むお客には、購入した食べ物のデリバリーサービスを無料でやっている。92歳の老人が重い買い物袋を持って自宅に帰るのはちょっと無理がある。老人たちは、手ぶらでやって来て欲しい食べ物や雑貨をレジに運んで料金を支払うだけで手ぶらで自宅に帰って行く。あとは、コンビニ店のスタッフが配達してくれるのを待つだけだ。

ただ、問題はある。

配達サービスをするアルバイト店員が周辺の地理に詳しくないとダメだ。留学生にそれが出来るかどうか疑問が残る。多くは、お店の店長(日本人)が商品の配達をする。昔の雑貨店では、購入した品をお客さんの自宅まで配達する事は無かった。田舎の雑貨店の午後は、憩いの場所でおしゃべりをしたいおばさん、おばあさんが雑貨店にやってくる。その帰りに何かを買って行く。

コンビニでアルバイトをする人材が外国人になって行くと老人対応で特別な教育が必要だろう。その教育次第で老人客を固定客に出来るかが決まる。昔は若者が好む食材やお菓子が中心に販売していたが、今は中高年層のお客が好む食材や揚げ物が多くなった。スーパーよりも価格が少し高いが老人たちのニーズを満たす食材が一度に揃う利便性が魅力だ。

足で歩いて通えるコンビニ店が1店でもある場所に住めば、一人生活を始めた時に多少足の動きが悪くなっても食生活で不便を感じないだろう。動きが鈍くなる老人は、食べ物の調達が出来なくなると生活が不自由になる。老後の住まいは、(1)コンビニやスーパーの近く、(2)病院の近く、(3)駅やバス停の近く、(4)公園の近くなどの要素が重要になってくる。

この記事「老人が住む住居ならばコンビニが近くにある場所だ!」のポイントは、

  • 2017年度のセブン-イレブン店舗に訪れるお客の46%近くが50歳以上の高齢者だ。
  • コンビニは、スーパーよりも価格が少し高いが老人たちのニーズを満たす食材が一度に揃う利便性が魅力だ。
  • 老後の住まいは、(1)コンビニやスーパーの近く、(2)病院の近く、(3)駅やバス停の近く、(4)公園の近くなどの要素が重要になってくる。