シニアの在宅ワークで注意すべき3つのこと

4月から5月末まで在宅ワークをしていた。新型コロナウイルス対策でいつもの仕事場である横浜駅近くのスターバックスに行けないでいた。おかげで生活のリズムが狂った。それがコロナ太りという結果をもたらした。自宅で仕事をすると自分を甘やかしてしまう。

在宅ワークは色々な問題を味あわせてくれる。今まで自宅で仕事をしたことがなかった私。一番のクレームは妻からである。3食昼寝付きの生活が妻の城である自宅で始まったからだ。妻は今まで一人で自由な時間を自宅で過ごしていた。妻にしてみれば、自分のパーソナルタイムを私の存在で潰しているという感じである。

今回はコロナ禍の結果であるので家内もどうしようもなく我慢していた。私も慣れない在宅ワークで仕事の効率が悪くなった。自宅という限定した場所でパソコンに向かって仕事をするには時々気分転換をする必要がある。ずっと椅子に座り続けると健康に悪い。体を意識して動かさないと体調を悪くするし、足腰の筋肉を衰えさせる。

ニアの在宅ワークでは3つのことを注意すべきではと思っている。

老後をどう楽しめば良いのか?

誰もがある年齢になると仕事から離れる。仕事から離れた時、何で自分を楽しませるかだ。欧米のシニア夫婦は、バケーション旅行に出かける。日本人のような短い旅行ではなく、ロングバケーションである。ドイツ人ならば、比較的生活水準が低いトルコやポルトガルに1か月から3か月ぐらい長期滞在する。

米国人ならば、フロリダ州にバケーションハウスを借りて数か月ほど滞在する。日本人のシニア夫婦の旅行は、長くても2週間ぐらいだろう。それも旅行会社が提供するパッケージ旅行。時間に追われ、現地の人たちとの触れ合いもない在り来たりの旅行になる場合が多い。

仕事を離れたシニアは老後を何で楽しませるのだろうか?

70歳以上で起業、挑戦する価値があるのか?

70歳でビジネスを始める高齢者にまだ巡り合っていない。既に起業して70歳以上になっている現役の経営者には巡り合っている。60歳代でビジネスを始めるシニアは多いが、70歳代では非常に限られる。

67歳で自分のビジネスを展開している私でも70歳になってから起業をしたいとは思わない。その理由は非常に簡単である。体が持たない!シニア起業はお金がほしいという理由だけでは始められない。若い人たち以上に情熱、体力、独自性、意志の強さを試される。70歳代よりも60歳代、60歳代よりも50歳代。起業する年齢が若ければ若いほど挑戦する時間に余裕がある。

70歳代のシニアには2つの大きなリスクがついて回る。

  1. 健康と体力
  2. 気力と情熱

これらの要素は年齢に従い弱くなる。80歳まで生きていられる確率も下がる。70歳代のシニアは仕事を趣味のレベルまで落として楽しむことである。健康寿命が80歳まで至っていない。現時点で72歳ぐらいである。残る余生は時間的に短い。短い余生を如何にして楽しむべきかを考えるとお金を沢山稼ぐために仕事をするという要素は強くない。

60歳代で起業するならば、少なくとも10年以上の時間的余裕がある。新規ビジネスは助走する期間が長い。1年でビジネスが上手く立ち上がるのは稀である。最低3年間は産みの苦しみを味わう。その意味合いで情熱と体力は必須になる。

「小を積んで大と為す」という二宮尊徳の言葉が身にしみる

小田原城敷地近くにある広東料理のお店「KONOMA」のテーブルに置いてあったリーフレットに二宮尊徳の言葉が記載されていた。「小を積んで大と為す」という二宮尊徳の言葉である。その言葉の説明を読んで今自分がやっていることに希望を見出した。

何事も小さいことをしっかりやらないと大きく成長していかない。最初から大きなことをやろうとしてもうまく行かない。お金を稼ぐビジネスは博打ではいけない。石橋を叩いて渡るような慎重さが必要だ。詐欺師は口先だけで大きなことを簡単に出来る言う。詐欺師は誰もが求めていることを餌にしてカモにする。現実は「小を積んで大と為す」という二宮尊徳の言葉通りだ。簡単ではない。地道な努力が必要になる。

小から始めて基礎を作り、大きくなるまで諦めずに継続する。これは何をやるにしても基本の基だと思う。

いつまで働けるか?いつまで働きたいか?シニア労働者の不安

シニアが働くとき、いつも頭にあることは「いつまで働けるのだろうか?」という不安である。会社勤めをしているシニアならば、自ずと退職する年齢や雇止めの年齢を事前に知らされている。問題は自営業者やシニア起業家である。

働きたくても働く事が出来ない場合を除いて、働き続ける環境にいるシニアが本当に引退を考える時はどんな場合が多いのだろうか。雇用されているシニアは雇用主が解雇できる。それで働けなくなるが、自営業者やシニア起業家は自分で判断しなければならない。

ビジネスが上手く回っていなければ倒産、または、廃業で働く事を断念せざるを得なくなる。そこそこビジネスが回っている場合、止めるにやめられない状況になる。

雇う側も雇われる側も働く事を辞める時期が来る。シニア労働者の不安は働けなくなったために生活が出来なくなるという経済的な不安である。今は定年退職が65歳に定められた。65歳で失職したシニアは何かをして働き続けるか、年金生活を始めるか決断することになる。

定年がない会社に勤めていれば自分で退職する時期を決められるが、多くのシニアは65歳で次の職場を探すことになる。また雇用される状態になるか、自分でビジネスを始めるか、年金生活を始めるかの選択肢から決める必要がある。

いつまで働けるのか、いつまで働きたいのかの問いにどう自分が答えて実行に移して行けるかである。自分で回答出来るシニアは今後の不安に対応できるが、回答できないシニアは不安を抱えながら老後を暮らすことになる。