シニアが働くとき、いつも頭にあることは「いつまで働けるのだろうか?」という不安である。会社勤めをしているシニアならば、自ずと退職する年齢や雇止めの年齢を事前に知らされている。問題は自営業者やシニア起業家である。
働きたくても働く事が出来ない場合を除いて、働き続ける環境にいるシニアが本当に引退を考える時はどんな場合が多いのだろうか。雇用されているシニアは雇用主が解雇できる。それで働けなくなるが、自営業者やシニア起業家は自分で判断しなければならない。
ビジネスが上手く回っていなければ倒産、または、廃業で働く事を断念せざるを得なくなる。そこそこビジネスが回っている場合、止めるにやめられない状況になる。
雇う側も雇われる側も働く事を辞める時期が来る。シニア労働者の不安は働けなくなったために生活が出来なくなるという経済的な不安である。今は定年退職が65歳に定められた。65歳で失職したシニアは何かをして働き続けるか、年金生活を始めるか決断することになる。
定年がない会社に勤めていれば自分で退職する時期を決められるが、多くのシニアは65歳で次の職場を探すことになる。また雇用される状態になるか、自分でビジネスを始めるか、年金生活を始めるかの選択肢から決める必要がある。
いつまで働けるのか、いつまで働きたいのかの問いにどう自分が答えて実行に移して行けるかである。自分で回答出来るシニアは今後の不安に対応できるが、回答できないシニアは不安を抱えながら老後を暮らすことになる。
目次
年齢や体力、病気と健康、貯蓄と生活スタイル、雇用者と経営者で違う
65歳からの人生は自分に頼らざるを得ない人生になって行く。働きたくても雇用してくれる場所が無ければ働けない。再就職できても健康障害が発症すれば働けない。働けなくなった時に十分な金融資産があれば今の生活スタイルを維持できるが、お金が少なければ節約の生活に変える必要が出てくる。生活苦からどうしても働く必要がある高齢者も多い。
65歳以降の生活は自分で問題を解決して行くしかない生活になる。今までのように会社に頼る生活はできない。雇用される立場は会社都合でどうにでもなる弱い立場である。それ故に雇用不安が付きまとう。それが嫌な人はシニア起業をする。起業して生活が出来て行けば仕事を止める決定権は自分にある。年齢と体力が重要な要素になる。
年齢と体力は働ける期間を決める要素
いつまで働けるのか?
会社で雇用されているシニアならば、この質問がいつもついて回る。会社によっては65歳以降70歳まで1年毎に契約更新をして働き続けられる。多くのシニアは65歳で会社を卒業しなければならない。定年退職がない会社であれば自分で退職を決めることになる。体力が仕事についていけないという時である。
いつまで働きたいのか?
自営業者であれば、ビジネスと体力が続くまで働ける自由がある。働くのを止めるのはいつでもできる。老いて来ると自然に体力も落ちてくる。仕事を続けるのが苦痛になった時が辞め時である。肉体労働の自営業者は体力に依存することになる。
人によっては仕事を止める年齢を事前に決めておいて、次にやりたい事を始めるシニアもいる。仕事に縛られる生活はもう嫌だと思って、今までやりたくても出来なかったことをやる生活にシフトする。老後の生活は自分が一番楽しめることをやることが幸せである。
病気と健康は老後の生活を決める要素
70歳を過ぎると大きな病気にかかりやすくなる。体の免疫力が落ちて来るからだ。生活習慣病が身近に感じ始める。持病が一つや二つあるのが当たり前の体になる。老化から来る健康障害も起きる。仕事をするには健康な体が大前提。健康を害したら、老後の生活を大きく変えねばならなくなる。
働けなくなる=収入が年金だけになる。
70歳から80歳までの10年間はその人の人生を変えるリスクがある期間であると思っている。免疫力の低下は大きな病気の呼び水になる。シニア男性の健康寿命が72歳前後である。何歳まで健康で普通の生活が出来るかが問われる。健康維持を意識した生活習慣に目覚めるのも70歳代である。
健康を意識しながら働き続けるには収入をどのようにして得るかである。肉体と体力は老化で弱体化する。体を使う労働から頭を使う労働にシフトすることになる。シニアが頭を使って稼げる仕事は何かを調べることで老後の生活の方向性を見出せる。
貯蓄と生活スタイルは仕事を辞めてから気にする要素
収入が年金だけになると心細くなるシニアが多い。年金収入の枠内で生活が出来るように節約することになる。または、足りない生活費を貯蓄から補填することになる。今までと同じ生活水準を維持する事が難しくなる。
何とかして年金プラスの収入を得ることを考えて実行するか、お金を使わないで生活が出来る生活環境を作るかである。貯蓄を取り崩す生活は長くは続かないうえに不安を抱える。出来ることは2つに一つしかない。
- 年金プラスの収入を得ることを実行する
- 年金だけで生活が出来るようにする
私ならば、年金プラスの収入を得ることに頭と時間を使う。働かなくなったら、暇な時間が味方になる。お金を稼ぐ種を探すのである。インターネットはリモートで仕事が出来る。自分の得意をサービスとしてインターネット経由で提供することである。
雇用されているシニア労働者は会社の意向次第
いつまでも働きたいならば、
まだ会社で働いて定年退職前のシニアならば、定年退職がない会社に転職することである。または、シニア起業の準備をすることである。一般の会社は65歳まで雇用するが、それ以降は助けてくれない。会社を卒業することになる。
いつまで働きたいかを自分で決めたいならば、
定年退職がない会社に再就職するのは難しいかもしれない。一番確実なのはシニア起業である。ただし、起業する前に副業を始めてビジネスの種候補を見つける必要がある。そのため、準備期間と助走に時間と多少のテストマーケティング費用が発生する。
65歳までまだ時間があるならば、同じ会社で働けるチャンスが退職後にあるかどうかを調べる。アルバイト、パート、下請け、派遣従業員、非正規社員など何らかの機会が開かれているかもしれない。
自営業者(経営者)は働く事を辞める時期を自分で決める
60歳でシニア起業をする人は事業が上手く発展した場合に自分の引退時期や状況を決めておく必要がある。事業が上手く行けば行くほど心配で引退が出来なくなるからだ。引退する時期を決めておけば、それまでに引退の準備が出来るようになる。
自分の子供に事業継承させるのか、右腕の社員を社長にして会長として会社の生末を見守るとか。色々考えられる。多くの自営業者は年齢や体力の衰えで引退時期を決める。体力を要求するビジネスや経営であれば、体力が衰えたらまともに仕事が出来なくなる。
知的なビジネスであれば体力の衰えだけで判断は出来ない。むしろ、引退はその時の気分になるかもしれない。ちゃんとそのビジネスを引き継ぐ人がいればの話だが。
私の場合
私のビジネスは私だけで終わりにする予定である。既に息子二人にはそう伝えてある。その理由は、あまりにも専門的で自分で技術習得を積極的にやって行かないとビジネスを継承する時にリスクが生まれるからだ。オープンソースのCMSは、誰も教えてくれない。自分で独学をする時間が長い。
私が教えるにしても結局は自分で学んでいく姿勢がなければビジネスは継続できない。その意味合いで息子たちにビジネスを継承させるには無理があると判断した。
初めから一人で始めたビジネスである。B2Bの法人向けインターネットサービスである。このサービスを私が70歳になるまで続けるつもりだが、相手があるビジネスであるので時間をかけてフェイズアウトする計画でいる。その後の仕事は、新しいビジネスに転換してB2Cビジネスになる。今、それを構築している。
B2Cインターネットビジネスがある程度の売り上げ規模になれば、相手を気にする仕事にならない。自己完結型の仕事になるので上手く行かなければ自分だけがその負担を被る。お客さんには負担が行かない。それゆえ、いつでもやめようと思えばやめれれるビジネス形態になる。
結論
いつまで働けるか?いつまで働きたいか?シニア労働者の不安は定年退職を前にして高まる。この不安を和らげるには65歳以降に何をやるかを決めることである。再就職先を探すのは自然な成り行きであるが、他の選択肢も積極的に開拓をしたほうが良い。シニア起業である。再就職できても年齢の壁は消えない。70歳になればまた解雇される。
働き続けたいシニアは最終的にシニア起業を選ぶ。または、諦めて年金生活に入るか、アルバイトやパートで日銭を稼ぐ生活を始める。
働き続ける上で重要な要素は年齢や体力、病気と健康、貯蓄と生活スタイル、雇用者と経営者という要素である。健康を害したら、何も始まらない。体力が衰えれば仕事が辛くなる。雇用される側と雇用する側では仕事を止めるタイミングが違う。
年齢が来れば、働きたくても働けない体になる。そのあと、どのような生活を送るかを考えておく必要がある。