定年退職後に無職の期間が長ければ、どのようなリスクが生まれるのか?

最近になって気が付いたリスクが有る。年齢が同じ知人が仕事を離れて数年が経過していた。彼と会話をする機会があったのだが、以前の印象よりも人生に対してネガティブになっていた。働かなくても両親の年金で生活が出来てしまっているため、両親の介護の傍らに仕事をしようという意志がなくなっていた。

両親の介護が相当の負担になっていたようだ。介護で自分の時間を奪われ、心の余裕が無くなっていたのだ。厚生年金(報酬比例部分)が61歳の時から受け取っているので彼の両親の年金と合わせて生活は成り立っているようだ。介護で仕事から離れる期間が長くなればなるほど、同時に経済的に問題がなければ、65歳の彼は意識して仕事を探す必要性を感じなくなる。

一度新しい生活に慣れると元の生活に戻るのはつらい。

自由な生活から制約がある生活に戻るのはリスク

仕事をしていないシニアが働こうと思って仕事を探すのだが、仕事をしていない期間が長いと働くという感覚が遠のいている。新しい労働環境に違和感を強く覚え、感覚が戻るまで苦労する。

私は、独立して15年経過している。今、会社組織に入って会社員となって働く気はしない。一人で自活している期間が長く、他人の管理下で監視されながら仕事をする気持ちに成れないからだ。もう、組織の中で与えられる仕事をするという労働環境に精神的に合わなくなっている。

自分一人でお金を稼ぎ、生活が成り立っていると会社員になるのがバカらしくなる。カゴの中で飼われたいた鳥が鳥籠から逃げ出して自由に生き始めたときと同じだ。その鳥は二度と鳥籠に戻らない。

以前の会社員の生活に戻るのが苦痛

新しい生活習慣を身に付けると以前の生活習慣に戻るのが苦痛になる。働かなくても生活が出来ているならば、あえて働かないでもっと楽な生活をすれば良いと考える。両親の介護をしている知人は、働く環境から離れて数年経過している。彼の生活は、介護とそのストレスを解消する自分の時間で成り立っている。

彼は私と同じ65歳だ。まだ、若い。働こうと思えば、体は労働に耐えられる。今は、社会に大きな変化が生まれている真っ只中である。昔の常識が覆される大きな変化が見えない部分で起きている。年金に頼った生活は、何らかの事情で年金で生活が回らなくなった時にリスクが生まれる。彼は、そのリスクがないと思っている。私は、リスクが有ると思って自営業を続けている。

一度、新しい生活を始めると元の生活に戻るのは気が進まない。会社員生活を楽しんでいたシニアならば、喜ぶかもしれないが多くの元会社員は苦痛に感じる。

大きな変化というリスク

自分でお金を毎月稼ぎ出す術を身に付けられれば、年金生活以上に安心だ。年金は、政府が支給するので年金財源が枯渇した時に年金制度は崩れる。自分でお金を稼ぐ生活を維持できていれば、年金が消えても何とか生活は維持できる。年金は大丈夫と信じられているが、それを信じないで生きていけるだけの世渡り術を60歳代の内に身に付けるべきだ。

年老いた犬に芸を教えるのは難しい。新しい芸を学べる年齢と精神状態の内に予期せぬ災いに対応する新しい生活習慣を身に付ける必要がある。何時かは老化で働けない体になる。そうなる前に収入を失うリスクを回避するアクションが必要である。年金があるから大丈夫と思わないことだ!大きな社会的変化が起きる時は、今まで信じてきたことが覆される。

仕事を離れて現状に流されている生活は、リスクが有る。自分でビジネスを作り出せないシニアは、組織の歯車として働くしかないのだが、仕事を離れると歯車として働くことへの適応能力が落ちる。精神的に拒絶反応を起こす。組織につながってビジネス感覚を維持できていれば歯車として働き始める時に摩擦が少ない。

大きな社会的変化が起きる時、頼りになるのは自分自身。自分の生活のリスクを見つけて今からリスク回避の対策を考えることではないか。

結論

  • 働かなくても両親の年金で生活が出来てしまっているシニアはその先の事を考え、準備する。
  • 私が感じたリスクとは、災いが予期せぬ時に現れるリスクである!
  • 新しい生活習慣を身に付けると以前の生活習慣に戻るのが苦痛になる。働かなくても生活が出来ているならば、あえて働かないでもっと楽な生活をすれば良いと考え始める。