シニアは筋肉を増やす生活をすると若返る、なぜか?

96歳の義父は昨年の11月に介護付き老人ホームに入居した。それまでは自宅でひとり暮らしをしていた。出来れば、ずっと自宅で暮らしたいと言っていたが体を自由に動かす足の筋力を失って自分一人で生活をすることが出来なくなった。

認知症もなく、これと言った深刻な持病もない。足の筋肉を失い自由に歩けなくなっただけである。歩行障害が生まれると生活が不自由になる。炊事・洗濯・掃除・買い出しなどが難しくなる。私達の身体は筋肉量が減ると自分の体を動かせなくなる運命にある。

70歳の声を聞き始めるシニアは今まで以上に健康に気遣い始める。特に脚力に不安を覚え始める。知らないうちに10キロを休まずに歩けなくなっている。50歳代、60歳代のときのような体力と筋力を維持できていない自分に気がつく。何とか体力と筋力を戻したいと思うのは私だけではない。

問題の解決方法は失った筋力を回復させ強化する生活をすることである。

自由に気兼ねなく歩ける体がほしい!

衰えて行く身体は60歳を過ぎた頃から誰もが感じ始める。年齢が80歳を過ぎると自分の足が言うことを聞かなくなる。足の筋肉量が減りすぎて自分の足を動かす時に思うように動かせなくなる。こうなると若い身体が欲しくなる。筋トレは老いてきた身体に新しいエネグリーを作り出してくれる。シニアの体の筋肉は若者と違って使わないと失われて行く運命がある。これを防ぐには筋肉を鍛えて活発に使う運動習慣を身につける必要がある。

筋肉の量を増やす筋トレ

若返る上で新陳代謝の量が物を言う。筋肉を鍛えて増やすと新陳代謝の量が増える。一番簡単に新陳代謝量を増やすならば、筋肉を鍛えることである。それも大きな筋肉の部位を鍛えることで筋肉量が増えて行く。

上半身と下半身を鍛える筋トレ:

  1. 懸垂
  2. ベンチプレス
  3. スクワット

この3つの基礎筋トレだけで身体の筋肉の量を増やすことが出来る。筋肉を鍛えれば、自然と食欲が生まれてくる。食べる量も増える。その時に筋肉を作る材料になるタンパク質をできるだけ多く取るようにしないと筋肉が増えていかない。

基礎体力が落ちているシニアは最初から懸垂、ベンチプレス、スクワットを始められない。やろうとすれば、怪我をする。まずは自分の体重を使った筋トレを始める。一度に複数の運動項目をやるのではなく、一つの運動に集中する。

例えば、スクワット運動である。椅子に座って立ち上がる運動から始めるのが良い。1セット10回を3セット、毎日夕食後に行う。これを3ヶ月続けられたら、朝食後と夕食後に各3セット3ヶ月間行う。これも続けられれば、朝昼晩の食事の後に各3セット3ヶ月間行う。

9ヶ月間スクワット運動を自分の体重だけで続ければ、足の筋力は知らないうちに強化されていく。自重を使ったスクワット運動が習慣になれば、後は1セットの回数を増やして行くことである。同時に腕と胸を鍛える腕立て伏せを始める時期になる。ベンチプレスは腕立て伏せの延長線上にある筋トレである。

まず、何回腕立て伏せができるかを確認する。もし、5回がやっとであれば目標を1セット5回で3セットできるようにする。腕立て伏せの運動は1日おきに行う。疲れが残っていたら休む。とにかく、腕立て伏せをする運動習慣を身につけるようにする。それが目標になる。

最終的に1セット10回を3セット出来るようになれば腕と胸の基礎体力は強化される。スクワット運動と腕立て伏せ運動が習慣になれば、懸垂に挑戦することになる。近くの公園に鉄棒があれば、鉄棒を使って懸垂をやってみる。

1回も懸垂が出来ないのがシニアである。これが普通である。懸垂は自分の体重を持ち上げるので負荷が非常に大きい。まずは鉄棒にぶら下がって握力を鍛える。鉄棒にぶらがっている時間を出来るだけ長くする。疲れたらやめて、翌日またやるという感じになる。

鉄棒にぶら下がる運動は毎日行う。1日に1回で良い。鉄棒にぶら下がりながら懸垂のマネをする。これを続けているとある日ある時に自分の体を少しだけ上げれるようになる。これを続けると最終的に懸垂が出来るようになる。ポイントはそうなるまでやり続けることである。

基礎体力は懸垂、腕立て伏せ、スクワットの運動習慣を身に着けた時に強化されている。後は、スポーツジムに会員登録して本格的に筋トレを始めることである。パーソナルトレーナーの指導に従って筋トレをすることで怪我なく筋トレ習慣を身につけられる。 

筋肉を作る材料、タンパク質の多い食事を取る

シニアほどタンパク質を多く取れる食事をしなさいと医者はいう。老いてくると何故かさっぱりした食べ物に向かう。食べる量も減る。タンパク質が多い肉類を避け始める。肉が駄目ならば、大豆類からタンパク質を取れば良い。70歳のシニア・ボディービルダーは3食必ず納豆を食べるという。

1日にどれだけタンパク質を摂取すれば良いのか。

66歳の私は1日60グラム以上のタンパク質を取る必要がある。60グラムのタンパク質を3食で取るには、どんな食べ物を食べれば良いのか。

私が良く食べるタンパク質が多い食べ物

  1. 納豆1パック 7.4グラム
  2. ハムエッグ(ハム1枚と卵1つ) 10.5グラム
  3. 絹ごし豆腐1人前 7.4グラム
  4. ブルガリアヨーグルト100gあたり 3.4グラム
  5. キリクリームチーズ1個 1.6グラム
  6. アジの開き 16.2グラム
  7. 鶏肉のささみ100グラム当たり 23グラム
  8. (生卵やゆで卵)1個 6.5グラム
  9. 焼き竹輪2本  6.1グラム
  10. 生姜焼き1人前 20.8グラム
  11. 牛乳コップ1杯 6.6グラム

これらの食べ物を組み合わせて1日60グラムを摂取するならば、

  1. 毎食 納豆1パック 22.2グラム
  2. 朝食 ハムエッグ 10.5グラム
  3. 毎食 コップ1杯の牛乳 19.8グラム
  4. 昼と夜 絹ごし豆腐1人前 14.8グラム

これだけでタンパク質を1日67.3グラム摂取できる。シニアでも気軽にタンパク質を摂取できる食べ物を上手くブレンドして1日60グラム以上のタンパク質を取るようにする。肉類以外で気楽に食べられる食品。

  • 納豆、豆腐、豆乳
  • チーズ、牛乳、ヨーグルト
  • 生卵かけご飯、ゆで卵
  • 鮭缶、かまぼこ、鮭フレーク

体を活発に使う日常生活

シニア男性は日常生活の中で意識して体を動かすことを嫌がる。奥さんは家事で毎日働くので体を活発に動かす習慣ができている。定年退職でこれと言った仕事がないシニア男性は自宅でゴロゴロしている場合が多い。そんな日常生活が続いている方はこんな事をやると良い。

奥さんの仕事を少し分けてもらう:

  • 部屋掃除
  • お風呂洗い
  • トイレ掃除
  • 食後の食器洗い

実はこれらの家事は私がやっている。結構エネルギーを使う家事である。体を家事で使うことで日頃使っていない筋肉を使うようになる。塵も積もれば山となるので奥さんの家事手伝いをすることである。

スーパーマーケットへの買い出しも一緒に出かけて重い荷物は旦那さんが持つ。自動車で行ってしまうと体を鍛えられない。

ちょっと外出する時にバスや電車を使うならば、極力歩ける距離まで歩いて途中からバスや電車に乗ること。ちょっとした工夫で体を活発に使えるようになる。

十分な睡眠と水分補給

高齢者は一般的に睡眠時間が短くなると言われる。ただ、体が疲れているとぐっすりと長く眠れる。十分な睡眠を取るならば、お風呂に入る前に軽い運動をして身体を幾分か疲れさせておく。ちょっと疲れを感じる程度の筋トレをすると良い。

その後でコップ1杯の水を飲む。そして、お風呂に入る。お風呂から出たらまたコップ1杯の水を飲みストレッチ運動をする。よる水をたくさん飲むと夜中に必ずトイレに行くことになるのだが、これは必要悪と思って寝る前の水分補給を多めにすると良い。

それが嫌だというシニアは寝る1時間前までには水分補給を済ませておく。寝る前にトイレに行って少し溜まったおしっこを出す。

十分な水分補給は寝ている間に疲労を回復するために役に立つ。夜に水分を補給し血流を良くして新陳代謝を上げ、寝ている間に脂肪を燃焼させて朝に体の老廃物を排出する。寝ている間に汗がコップ1杯ぐらいは出る。夏になるとコップ2杯分ぐらい必要になる。

新陳代謝を良くするには十分な睡眠と水分補給が必須である。

結論

新陳代謝は加齢に伴って落ちて行く。新陳代謝の量が減って行くと生命エネルギーが減少するに等しい。人間が生きて行く上で体の新陳代謝がないと新しい細胞が生まれてこない。新陳代謝が活発であると新しい細胞が早く、たくさん生まれてくる。その結果、身体は新しい細胞で作られ、若返る。

筋トレを定期的にやり続けると新陳代謝が改善される。

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