老人の健康寿命を短くする低栄養状態を防ぐには

「低栄養」になるとエネルギーとたんぱく質が欠乏し、健康な体を維持するために必要な栄養素が足りない状態になる。高齢者は、老化により消化機能が衰えて食が細くなり、栄養と水分を十分取れなくなる。食べるものに対して好き嫌いが多くある老人は、低栄養状態に成りやすい。体を健康にする必要な栄養が毎日の食事から取れなくなるからだ。

私の義母は、自宅介護で低栄養状態になってしまった。要介護5であるため介護ベッド生活になっている。義母が食べている普段の食事を与えていたが、介護ベッド生活のため食が細くなってしまった。食べれるものだけを食べさせるという状態が続き、知らないうちに低栄養状態になった。

食べ物に好き嫌いがあるためと食欲減退で健康な体を維持できる栄養を十分取ることができない。介護老人保健施設(老健)に入居して医者から義母が低栄養状態にいると知らされた。体力を失って老衰状態に至った理由が分かった。

老人がなぜ低栄養状態になるのか?その対策は?

60歳代のシニアはまだ活動的で食欲旺盛であるが、70歳を過ぎる頃から体全体の筋肉の衰えと社会活動が減少するに従い食事の量が減ってくる。知らないうちに体が痩せ始め体重が減っていく。食べる物も肉から野菜中心に成り筋肉を作り出す栄養が十分取れなくなる。これは、歳を取る過程で必ず身に降ってくる老化現象であるという認識がないため、老人が陥りやすい健康障害である。

最近では、シニアの健康を啓蒙する情報が新聞や雑誌などで発信されているため、健康寿命を伸ばすために積極的に肉や魚を食べる高齢者が増えている。

だが、

食べる物で好き嫌いが多い老人は、体力を維持するために必要な栄養素を自覚しながら食事をしなければならない。一人で生活している老人ほど低栄養状態に成りやすい。バランスが良い栄養を意識して取る食事が出来ない。どうしても好きなメニューの食事になってしまう。低栄養状態が長く続くに従い体力が自然と減っていく。その結果、何かのきっかけで転倒して骨折し介護ベッド生活に成り健康寿命を短くさせてしまう。

70歳を過ぎたシニアは一度低栄養状態を調べる血液検査をすべき!

自分の体が低栄養状態にあるか、ないかを調べるには、低栄養状態を調べるための血液検査をすれば良い。70歳を過ぎた高齢者は、一度、自分の栄養状態を知るために血液検査をするべきである。自分が食べる物で栄養が偏っているという結果が出れば、医者の指示に従って欠けている栄養を意識的に補う食事療法をすることになる。

老健に入居している老人たちは、健康維持に必要なバランスが取れた食事が提供されているので低栄養状態の老人は自然に回復していく。老健に入居できない高齢者は、自宅でバランスの取れた食事をする方法を見つけるしかない。老人向けお弁当サービスを一度活用したが、続かないため取り止めた経験がある。身内による介護では本人に強制的に食べさせるパワーがない。

低栄養状態を避ける方法

自分の体が低栄養状態にあるか、ないかをまず認識する。それで食の改善を意識できるようになる。口に入れる三度の食事をどのような料理にするかを役所の食生活相談で受ける。自分で料理を作らない老人ならば、老人専用のバランスが取れたお弁当サービスを利用する。

食欲を刺激するために体を定期的に動かし、消費エネルギーを増やす。自宅にこもらないで外出を増やし、歩く時間を多くする。食欲旺盛な老人ほど健康寿命が長い。93歳の義父は、お酒を飲みながら朝、昼、晩よく食べる。食が細い老人は十分なエネルギーを取得できないから健康寿命を短くさせてしまう。

介護支援・要介護になっている老人ならば、食事付きのデイサービスを活用して昼と夜の食事を栄養バランスの良いものにする。

低栄養状態の危険性

  1. 認知機能低下
  2. 免疫力と体力の低下
  3. 筋力と筋肉量の低下
  4. 骨量低下で骨折し易い
  5. 疲れやすく成り気力が弱くなる

シニアは、生命エネルギーを生み出す1日3度の食事に気を使う必要がある。体の健康に良い食事をする。タンパク質、ビタミン、ミネラルが多く取れる食材を3度の食事に取り入れる。食が細くなったと感じたら、役所の食生活相談サービスを活用する。

結論

  • 低栄養状態は食べる物の好き嫌いから発生する
  • 低栄養状態になっているかチェックするには血液検査をする
  • バランスが取れた食事をする方法を考える
  • 体を定期的に動かしてエネルギー消費を増やし、食事量を増やす