老後のお金が夫婦で2000万円、3000万円必要だという情報が巷にあふれているが、あまりにも単楽すぎる。普通の生活ができていれば、医療費も老人ホームの費用も発生しない。健康で自分の生活を確保できれば良いだけである。65歳になったら自分たちの老後の生活プランを考え始める人が多い。会社を卒業するからだ。
65歳という年齢は、年金受給の年齢である。会社員であれば、最低限の年金が保証されている。一般的に月額22万円だそうだ。会社によっては企業年金の額が大きいために月額50万円以上になる人もいると聞く。
年金額が違うことで余生のライフスタイルも変わると思っている人がいるかもしれない。私はそうは思わない!
お金がなくても健康寿命が長ければお金の心配はいらない!
お金は沢山あるに越した事はないが、必須条件ではない!むしろ、お金よりも健康寿命こそが必須条件だ。何歳まで健康で普通の生活が出来るかの競争が65歳から始まると言っても言い過ぎではない。金融資産が沢山ある90歳の老人夫婦が高級有料老人ホームに引っ越した。義父の友人だ。
二人とも多少の認知症が発症している。義父と同年代の老人夫婦だ。義父は、もうすぐ93歳になるが、まだ、自分で普通の生活が出来ている。義母の介護をしながら自宅で普通の生活が出来ている。義母は、介護ヘルパーとデイサービスでリハビリの最中だ。
義父は、93歳になろうとしていても頭はさえきっている。認知の認の字もつかない。脚力はさすがに衰えているが、普通の生活が出来ている。義父夫婦は、高級有料老人ホームに引っ越した友人夫婦とは違って普通の老夫婦だ。
私の目から見て、どちらの生活が良いかを考えたら自ずと認知症がない普通の生活が出来ている義父に勝敗が決まる。どんなに裕福な環境と金融資産があっても健康寿命を脅かす状態になったら、残りの人生は面白くない。
義父は人生の楽しみをお酒にみいだして生活をしている。
朝昼晩と食事後にお酒(ウイスキー)をグラスにちょっと入れて水割りやオンザロックで飲んでいる。お酒好きの人生をずっと送ってきているからだ。ある意味では、お酒を趣味として捉えて余生を楽しんでいる。毎月、近くのお酒店から3本ぐらい違ったウイスキーを届けてもらっている。
「お酒は百薬の長」と言われる。義父はそれを実証しているのではないかと私は思っている。先日、成城石井のお店で12年物のOld Parrのウイスキーを買って、義父にプレゼントした。喜んでくれた。嬉しくてまだ開けていないそうだ。Old Parrのウイスキーが大好きなようだ。
余命は分からないが、生きている間に義父に幸せな気分にしてあげたい。ひょっとしたら、Old Parrのウイスキーで100歳まで生き続けるかもしれない。義父に言わせれば、高級老人ホームで生活をするよりも自宅で片手にウイスキーのグラスを持って食事をする生活のほうが一番良いと。