誰しもが老人になる。これは避けられない。老人の生活は未知の世界である。普通の事が普通に出来なくなる。自分の体が衰えてきて歩くことも不自由になる。目は老眼になり、緑内障で視野が狭くなり、白内障で視界がおかしくなる。体の衰えが当たり前の老人。
老人の入り口が還暦だ。60歳になると歳を意識せざるを得なくなる。高齢化社会で老人が街中をうろついているのが目立つ。その姿には、個人差がある。元気に普通の人のように歩いている人。ヨロヨロとしてゆっくり歩いている人。今の高齢者の姿を見ると将来の自分の姿が見えてくる。
老いを受け入れ体を鍛えることで「普通の生活」を楽しめる
男性は、頭の毛が薄くなり、黒からグレー、そして、白髪になる。髪の毛の色を黒に染めると10年以上若返る。女性も同様だ。女性はカツラを使い始める。体の衰えは化粧で治せない。どんなに隠そうとしても老いてきた体は隠せない。
老人になる不安をどの様に対応すれば良いのだろうか。
結論から言えば、老いを素直に受け入れるしかない。素直というのは精神面である。肉体面では、地道な努力次第で体力は維持向上が出来る。
足が不自由になる原因はわかっている。足の筋肉を鍛えることで歩くことを改善できる。背中が丸くなる問題も改善できる。姿勢が悪くなるのは、体全体の筋肉が衰えてきたためだ。ポイントは、筋肉を鍛える運動を定期的に続ければ改善される。
それでも、自分が老いて行く姿を毎朝洗面所の鏡で見る。
老いへの不安は、拭い去れないのだろうか。誰もが同じだ。若い人たちもいづれ老人になる。でも、老人の感覚はわからないはずだ。還暦を過ぎてからだんだんと「老人とは」を自分の体から学んでいく。
どんなに偉い人でも、どんなに成功した人でも、どんなに有名な人でも、老いからは逃れられない。自分の老後を楽しく過ごすには、
1.健康第一
健康を崩したら、死は目の前に見えてくるからだ。新陳代謝の能力が落ちている老人は自己治癒力が弱くなっている。免疫力も同様だ。風邪をこじらせて肺炎になりベットでの生活が始まる。一度寝始めると筋力が落ちる。リハビリをちゃんとやらないと普通の生活に戻れない。
2.自分の生きがいにエネルギーを集中
年金で普通の生活が出来る状態ならば、使える時間がたくさんある。体の力は衰えるが、一つに集中する力は残っている。若者のようにあれもこれもとマルチには出来ない。何か一つ自分が没頭できるものがあれば救われる。体が動かせる年齢までずっと没頭できれば、幸せだ。
3.やり残したことをやる
悔いのない人生にしたい。そんな思いは誰にでもある。子供の頃に夢見たことがあり、その夢を実現させたいと思ったら、実現させる方法を考える。色々の制約がある中で出来る事をやる。目標に向かう過程に意味がある。ある意味では、自分の死場を夢の実現の中で探す事になる。
老人の世界は、老人になってみないと分からない世界だ。若者が想像で語っても意味がない。書籍で老人の生活を読んでも実感は出来ない。自分が老人になるまでお預けだ。
老人になると心配する事が増えてくる。
- 友人、知人が他界していく
- 孤独が友達になる
- 働く事が出来ないので経済的に苦しくなる
- 性欲があるのに満たされない
- 体が思うように動かせなくなる
- 人生の伴侶が他界する
- 病気が近づいてくる
- 社会に存在しているのにその存在が認識されなくなる
- 病院、介護施設、住まいを行き来する生活
老人・・・自分が住む世界が段々と見えなくなる。子供が大人になる過程の逆を行く運命だ。子供は大人になるにしたがって世の中の仕組みが分かってくる。今まで見えていない世界が見えてくる。老人は、時代の流れについて行けなくなり今の社会を見失う。理解できないものや仕組みが社会にあふれ自分たちでそれを使えなくなる。
周りに色々な障害がたくさん生まれてくる。弱者になっていく老人には支えてくれる親はいない。