なぜ、シニアは時代の変化についていけないのか?

牛丼の松屋でランチを取る時がある。先に食事券を自動販売機で買う必要がある。若い人たちは、何の支障もなくスムーズに自動販売機のメニューに従い食券を購入するのだが、高齢者の大部分は自動販売機の取り扱い方に慣れていない。初めてタッチメニューで食券を選び、支払いをする場面に直面する。操作が分からないので松屋の店員に代行してもらう事になる。 

クレジットカードを使うとき、暗証番号を入力して決済をするのだがそれが暗証番号を忘れている。最近ではクレジットカードをかざすだけで決済ができてしまう仕組みに進化している。クレジットカードがICチップ化されてから見えない所でシニアが理解できない仕組みが広まっている。

若い人たちとの接点がなくなってしまったシニアたちは時代の流行も価値観も伝わってこない。時代の変化は若い人たちが受け入れてから大きく広まる。老いてくれば来るほど活動範囲が狭くなり外部からの情報が入り難くなる。

新しい仕組みに慣れていないシニア、時代の変化について行けない高齢者!

人間の代わりに機械に代行させる仕組みが増えてきている。昔の食券販売機は、単純でストレートであった。お金を入れて食べたいメニューボタンを押せば食券が出てくる仕組みであった。今は、タッチパネル画面に表示されるメニューに従って選択する場合が多い。高齢者は、タッチパネルをどうすれば良いか分からない。

銀行のATMもタッチパネル操作に成っているのだが、高齢者はいつもATM操作サポート要員に手伝ってもらっている。使い慣れていない機械は誰もが戸惑う。社会とつながりが深い労働者は、新しい仕組みや機械に触れる機会が多い。一度、やり方に慣れてしまえば直ぐに対応が出来る。

新しい社会の仕組みに慣れていないシニアたち

シニアは、社会とのつながりが薄れていくため一般社会人ほど新しい仕組みに触れる機会がない。SUICA(スイカ)やPASUMO(パスモ)などの電子マネーカードが使えない老人が多いのが分かる。従来の磁気紙切符でも戸惑う。駅の改札口に立っている駅員に切符を渡して切ってもらうやり方しかイメージがない。

アクティブに活動している老人であれば、時代の変化に触れる機会が多いので強制的に新しい仕組みに慣れされる。時々、社会に顔を出す老人たちは、浦島太郎のような感覚で目の前に登場した新しい機械や仕組みに翻弄される。 スマートフォンのアプリで色々なことが出来るのを知らないシニアが多い。いつも使っている機能は通話機能とメールだけ。

オンライン予約を使えないシニア

私は月1回、2回映画を見る。殆どの映画館は、指定席に成っている。見やすい席を確保するには、2,3日前に映画券を買っておくのが通常だが、インターネットのおかげでオンライン予約ができてしまう。高齢者は、このオンライン予約を知らない。知っていてもその利便性の恩恵をうけることが出来ない。

オンライン予約をするには、(1)インターネット接続環境、(2)パソコンかスマホやタブレット、(3)クレジットカード、そして、(4)メールアドレスがないと出来ない。文明の利器を上手く使える人でないとオンライン予約の仕組みは高齢者にとって無意味なのだ。

空港でのチェックインなどは、自動チェックイン機の前でタッチパネル操作をして完了するやり方が当たり前に成りつつある。これが国内でも海外でも標準になると高齢者にとってプライベートの海外旅行は大きな壁になる。チェックインカウンターにいるエアラインスタッフがいなければチェックインが出来なくなる。

コロナ禍で濃厚密接を避けるためにロボットが登場

これからロボットが人間の代わりに受付をする施設が増えてくる。ハウステンボスになるロボットホテルのような仕組みがこれから増えてくるだろう。ロボットはまだ人間と違って決まったパターンでしか対応ができない。お客さんの表情や言動から何をしてあげればよいか判断できないが、これも時間の問題で解決される。

人間との接触をできるだけ避けてサービスやビジネスがこれから増えてくる。A.I.とロボットを使って人間が前面に出ない社会の仕組みが当たり前になる。

シニアはインターネットとスマホが時代の変化を生み出している事がわからない

インターネットに繋がったスマホが新しい時代の入口になるという現実を高齢者は理解できていないため、社会で生まれてくる新しいサービスや電化製品を理解して使えないでいる。

スマホが新しい時代の入口になっている事をシニアが学ぶことで新しい社会構造の変化が見えてくる。

・電話、メール、LINEメッセージなどの通信端末
・電車やバスのきっぷ代わりのスイカやパスモなどの電子マネーアプリ
・予約はアプリでという時代
・緊急事態警報もスマホで伝達される
・銀行の通帳がアプリになる
・テレビ、ニュース、動画、音楽もスマホで楽しめる時代
・スマホがパソコン代わり
・スマホで電子マネーを使う時代
・スマホがデジカメ代わり
・スマホがメモ帳代わり
・スマホが万歩計代わり
・スマホが時計やカレンダー代わり
・スマホが電車やバスの時刻表代わり
・スマホが地図代わり
・スマホでショッピング

・・・などなど。インターネットに繋がったスマホとアプリがあれば今まで使っていたものが要らなくなる。

インターネット通信インフラが身近にある時代では馬車に乗っている人が電気自動車に乗るのと同じぐらいの違いを感じる。老人は若い人たちと違って新しい技術とその仕組を学ぶ機会がないために新しい時代を理解できなくなる。

結論

新しい仕組みや機器などは高齢者にとって負担になる。これは、今に始まったことではない。時代に追い付いて生活をする事がこれからの高齢者に求められている。昔以上に変化が速いからだ。シニアの身の回りに新しい仕組みが増えていっている。長生きになればなるほど、世の中の新しい仕組みや機器の知識と取り扱い方を学ぶ必要がある。

世界は、貨幣から電子マネーに移行しようとしている。日本もその流れに乗っかっている。高齢者にとって電子マネーという単語さえも理解できていない。社会との接点が薄い高齢者であればあるほど時代の変化についていけない。変化の中心的な原因はインターネット通信、スマホとアプリである。