定年退職後に待ち構えたように起業をする60歳シニアがいると思えば、65歳の雇止で起業を選択するシニアもいる。起業は勇気がいる。前者でも後者でも勇気を持って起業に挑戦するシニアは称賛に値する。多くのシニアはリスクが多い起業を怖がる。
起業は子供の頃に初めて自転車に乗ろうとするときと同じである。最初は、勇気がいるし、怖い。これは確かであるが、勇気を出して第一歩を踏み出すと案外怖いものでないことに気がつく。当然、何度も落とし穴にハマって怖い思いをする。失敗して痛い目にもある。
でも、それって人生そのものである。起業の先輩として60歳、65歳から自分のビジネスを始めるシニアに有益な助言をしたい。私の経験から来る助言である。
60歳から70歳の間でシニアが起業を考え、挑戦する
シニアの人生の節目が60歳と65歳にある。 60歳は定年退職で会社を一旦卒業する。再雇用、転職、起業、引退の選択をする。65歳は会社から再雇用の終わりを告げられ、転職、アルバイト、起業、引退の選択をする時になる。60歳、65歳の節目で起業を選択したシニアに一つ助言をしたい。
51歳で起業し現実から学んだ事を助言したい
傷の浅い失敗をできるだけ沢山経験することが起業で生きて行く上でコツである。起業は一発勝負ではない。起業を考える時にビジネスの種を一つしか考えないで始めるシニアが多い。そのビジネスアイデアで成功すると信じているのだが、現実は甘くない。
60歳を超えたシニアが起業するときは、時間的な余裕がない。起業するならば60歳から70歳の間にするべきだ。体力、気力、寿命の面で対応が出来る。一つのビジネスモデルに勝負をかけて失敗すると時間とお金を一度に失う。再起するまでに時間がかかる。
私は一つのビジネスモデルでなく複数の収入モデルを考えて起業した。最低3つはビジネスの種が必要である。3つの内1つがお金を稼いでくれればそれが出発点になるからだ。多くのビジネスモデルを検証しながらお金を稼げるモデルを見つける。
その過程で色々な失敗を経験する。失敗から得る情報は貴重である。なぜ失敗したかの原因を探り、次回のビジネスモデルに改良を加えられる。検証すべきビジネスモデルをテストマーケティング(期間限定、予算限定)で市場ニーズを満たしているかを評価する。
決して一つのビジネスモデルだけで起業を開始しないことである。一発勝負の起業は必ず失敗する。
必ず精神的に落ち込む時がある、どうしたら良いか?
期待していたビジネスモデルが当て外れであったと分かるまで3ヶ月から6ヶ月かかる。自分が考えたビジネスモデルをテストマーケティングして見切りをつける時期が6ヶ月目である。半年間に1円も売上がないならば、そのビジネスモデルの市場ニーズはないと判断してい良い。
期待していたビジネスモデルの当てが外れると精神的にスゴく落ち込む。次に何をすれば良いか分からなくなるからだ。一発勝負で始めた起業者は、ここで立ち止まってしまう。
複数のビジネスモデルを予定していたシニア起業家も一番可能性があるビジネスモデルを最初にやる。これが失敗すると精神的なショックが大きい。心は落ち込みやる気が消えてしまいそうになる。
私はそんな経験を何度もしている。今もその状況にある。4年かけて新しいビジネスモデルを育ててきたのだが、突然、そのビジネスモデルがうまく行かなくなった。すごいショックである。精神的に不安定になり、なぜなんだと頭の中でエコーしている。
この2、3日後に徐々に落ち着いて来る。これから何をすれば良いかを考えて改善する方法を一つづつ実行して行く。悩むことに時間を割かないで失敗から学び、改善方法をリストして一つずつ実行して行く事で立ち直れる。手足を動かしていれば、自然と頭を使い始める。そうなれば、新しい希望を感じ始める。
失敗で気が落ち込んだら、失敗の原因を見つけて、その改善策を考え、一つずつ実行していくしかない。落ち込んだ状態で足踏みをしないことである。
ピンチはチャンスである
今、私はピンチの真っ只中にいる。新しいビジネスモデルから得ていた売上が急降下したからだ。なぜ、そうなったかを調べて自分が出来る改善策を考えて手足を動かしている。手足を動かしながら自問自答している。過去に何度も同じ様な境遇に出会った。
今、その時の精神状態を思い出している。
このピンチを乗り越えることが出来れば以前よりも売上を伸ばせるということだ。過去の経験がそれを証明している。うまく行かなかった原因が必ずある。その原因を見つけて改善すれば、このピンチから抜け出せる。そして、改善されたビジネスモデルは強化される。
ピンチは嫌なものだが、乗り越えなければ生きていけない。足を止めないでピンチを恐れないでピンチをチャンスに換えていく勇気を持とう。
結論
- 起業の先輩として60歳、65歳から自分のビジネスを始めるシニアに有益な助言をしたい
- 傷の浅い失敗をできるだけ沢山経験することが起業で生きて行く上でコツである。起業は一発勝負ではない。
- 決して一つのビジネスモデルだけで起業を開始無いことである。一発勝負の起業は必ず失敗する。