歩き方で老人の筋力を見分けられるか?

後ろ姿から老人の歩き方をすぐに見分けられる。老人の歩行能力からその人の筋力の強さが分かる。歩行能力は、体全体の筋力に結び付いているからだ。一般的に言われることは、歩いているときに他の人にどんどん抜かれていってしまう人は、体の筋力弱体化で老化が進んでいる人である

体全体の筋力が衰えてくると足の歩幅に出てくる。歩幅が狭くなり、普通に歩いていても速度が出ない。歩行は、体全体の筋力をバランス良く使って行われる。足の筋力が大丈夫でもバランスが取れなければ歩けない。

街中を歩いている高齢者の後ろ姿を観察してほしい。トボトボと前かがみに歩いている老人を多く見かけるはずだ。なぜ、そうなるかを考えて見る必要がある。10年後の自分の姿がそうならないために今から対策を取る必要がある。

老人の歩き方を見て自分の老人度を測る

老人の歩き方の特徴

  1. 背中を丸めて前かがみ
  2. 歩幅が狭い
  3. 足を横に広げて歩く
  4. 歩きに力強さが見えない
  5. 体のバランスが取れなくてヨロヨロしている
  6. 階段を避けて歩く

先程、横浜の地下街を歩いている老人二人の後ろ姿を見ていた。一人の老人は、70歳代後半。前を向いてしっかりした歩き方をしていた。二人目の老人は、足を横に広げて手を後ろの組んでゆっくりと歩いていた。明らかに二人目の老人のほうが老人度が高い。

足を横に広げて歩くのは、体のバランスが上手く取れないために足を横に広げ始める。体全体の筋力が大分衰えている証拠である。

歩幅が狭く前かがみに歩いている高齢者も筋力が大分衰えてきているサインだ。姿勢が悪い高齢者は、確実に体の筋力低下が原因で姿勢が悪くなっている。それが歩き方に出てくる。

弱々しい歩き方をする老人

老人が道路を横断するときに横断歩道を歩かないで渡る光景を何度も見ている。それが原因で交通事故に遭遇し亡くなってしまう。老人は、交通ルールを守るよりも利便性を優先してしまう。左右を確認しないで自動車が勝手に停まってくれるかのように横断歩道でない道路を渡り始める。歩きが普通であれば、横断歩道まで行ってから道路を渡るだろう。

それが出来ないからショートカットをする。横断歩道まで歩くのが面倒で疲れると考えて目の前の道路を安全確認もせずに渡ろうとする。歩く事で問題を抱える老人は交通ルールを無視して安全性を犠牲にする行動を取りやすい。

老人の脚力と生命エネルギー

動物が自分の足で動けなくなると自分の死を受け入れる。誰も助けてくれない。人間の場合は、脚力が弱体化すると杖、歩行器、車椅子などで最低限の移動が出来る。それが出来なくなっても家族が助けてくれる。家族の手がなければ、介護施設が助けてくれる仕組みがある。

脚力が衰えれば衰えるほど不自由な生活になり、最終的に死が近づいてくる。生命エネルギーが自分の足で歩ける、歩けないの堺で急激に変わる。自分で動けなくなると生きる楽しみも失う。美味しい食事を食べに行こうと思っても歩けない自分一人では行けない。

自分で歩く力を失うことは生きる楽しみを失うに等しい。普通の生活が出来なくなるからだ。

自分の歩行力=足腰の筋力

足腰の筋肉を意識して鍛えている老人は毎日歩くことを心がけ、足に楽をさせない行動を取る。

 日本の鉄道の駅には階段の上り下りが多い。大きな駅には、エスカレーターやエレベーターが設置されている。多くの乗客は、エスカレーターに並ぶ。階段はがら空きなのにエスカレーターには長い列が出来ている。体力がある人や筋力を高めたい人、ダイエットを心がけている人は、必ず階段を上がり下りしている。

足の筋力は日常生活の運動量で維持されるという事実を知らない人が多い。私は新型コロナウイルスでスポーツジムが閉鎖され自宅や近くの公園で筋トレを毎日やっている。十分な筋トレではないが、筋肉に刺激を与えている。上半身と下半身の筋肉全体を懸垂と片足スクワット運動で刺激を与えている。

筋肉は使わなくなると自然と失われ始める。シニアはこの事実を忘れないことである。

自分の歩き方が老人の歩き方に近いと感じた人は、日常生活の運動量を増やすことを心がけるべきだ。エスカレーターに乗るよりも階段を使って筋肉を鍛える。毎日エスカレーターを使う人の筋力と階段を使う人では、筋力の維持度が相当違う。階段を使う人は、筋力が向上する。エスカレーターを使う人は、筋力が低下する

日頃の運動量が体力維持に出てくる。老人は顕著に出てくる。多くの老人は、楽をする。体にとって楽な選択を自然にしてしまう。筋力低下という老化現象を意識していない普通の生活をしているだけで体の筋力は低下していく。この事実を忘れてはいけない。老人になればなるほど日頃の運動量を増やす生活のリズムを作ることである。

運動量を増やす簡単な方法

毎日、近くの公園に出かけて1時間ぐらい歩き回る。階段が公園にあれば、階段の上り下りをする。普通の生活の歩く運動量では、筋力低下を防げない。体全体に負荷を覚えるぐらいの運動量が必要である。足腰を鍛えたければ、自宅や公園で簡単に出来るスクワット運動を行うことである。自分の体重が筋肉を鍛える負荷になる。

その目安が、筋肉痛である。運動して筋肉痛が感じれば筋肉は強化されていく。筋肉痛がない運動はあまり効果がない。

時間が余っている老人は、色々な理由を自分で作って自宅を出る。街中を歩き回る。歩きで色々な場所に行ってみる。できるだけ文明の利器を使わないで生まれ持った足を使う。

結論

元気な老人は、歩くのが早いし、機敏な動きをしている。その動きは、後ろ姿の歩き方ですぐに分かる。力強い歩きをしているシニアは日頃から足腰を鍛える運動をしている。足腰を鍛えないと生命エネルギーも維持できないという事実を認識しているからである。

老人の筋力は足の筋肉の強さから想像がつく。足の筋肉は体の中で一番大きいからである。その足の筋肉が衰え始めると体全体の筋肉も等しく衰え始める。動きが鈍くなると普通の生活も不自由になる。私達人間にとっても動物にとっても自分で歩けるという機能は死活問題につながる。